この記事を読んでいるあなたは、
- そもそもDXとは何か?定義が知りたい
- なぜDXに取り組むべきなのかを知りたい
- DXを行う際の流れや注意点を知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、そんなあなたに「DXの定義や取り組むべき理由、DXの課題」などをお伝えしてきます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
DXとは「Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション」の頭文字をとった言葉で、日本語では発展し続けるIT技術を普及させることで人々の生活をより豊かにすることを指します。
DXは詳細な定義が設けられていませんが、経済産業省によるとDXの定義を以下のように用いています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争用の優位性を確立すること。出典:経済産業省
DXを活用している具体例としては、Webサイト上で銀行口座開設や支払いが可能なネットバンキングや、スポーツやコンサートなどのチケット購入がオンライン上で手続き可能なシステムなどがあります。
DXを活用することで、最新のIT技術を有効利用して既存のビジネスモデルに革命を起こし、自社の優位性を高めることができます。
DXを活用して新サービスや製品、価値を創出することで競合他社と差別化を図ることができ、結果としてマーケットの中で地位を確立することが可能となります。
IT化との違い
そもそもITとは、手作業で行っていた業務をデジタル技術を用いることで効率化することを意味します。
IT化の例としては、遠くの人と連絡を取り合う手段としての文通や電話が、IT化によってチャットツールや電子メールなどに変化したといった事例などが挙げられます。
結論、IT化は既存の業務を効率良く行い生産性を高めるための「量的変化」であるのに対して、DXは既存のビジネスやサービスをIT技術によって抜本的に変化させる「質的変化」であるといった違いがあります。
企業がDXを重要視すべき理由
企業がDXを重要視すべき理由としては、
- 2025年の崖の対策をするため
- 働きやすい環境を作って生産性を上げるため
- 時代の変化に対応するため
などが挙げられます。
それぞれ詳しく解説していきます。
2025年の崖の対策をするため
企業がDXを重要視すべき理由は、2025年の崖の対策を行うためです。
2025年の崖とは、2025年までに日本企業でDXが推奨されなかった場合、企業の競争力が急激に低下するだけでなく、年間で最大12兆円の経済損失が発生することを意味します。
現状の日本企業の情報システムは企業の成長に限界があるため、早急にDXを推し進めて巨額損失を最小限に抑えて、市場で優位なポジションに立てるよう対策をとる必要があります。
働きやすい環境を作って生産性を上げるため
企業がDXを重要視すべき理由は、働きやすい環境を作って生産性を向上させるためです。
DXを活用して業務をデジタル化することで、上司の顔色を伺うための業務や成果を生まない無意味な会議などを削減することが可能になります。
また、DXとITツールを組み合わせることで、リモートワークのような労働者にとって快適な労働環境を提供することも可能になります。
時代の変化に対応するため
企業がDXを重要視すべき理由は、時代の変化に対応するためです。
近年DXが注目されている要因として、ビジネスのグローバル化や人材不足などが挙げられます。
DXを推し進めることで海外を対象としたマーケティング活動が可能となり、新しいビジネスを作り出すことが比較的容易になります。
また、IT技術を用いて現状の業務を効率良くしたり、労働者を必要としない新しいビジネスを創出したりすることで、時代に適したビジネスを行うことが可能になります。
DXの取り組みを始める際の流れ
DXの取り組みを始める際の流れについて紹介していきます。
DXの目的を決める
DXの取り組みを始める前に、DXを実施する目的を決めましょう。
明確な目標を立てずにDXを行うと、単純なデジタル化で終わってしまう可能性が高いです。
DXを成功させるためには最終目的に辿り着くまでのプランを事前に設定することが大切です。
経営陣からの承認を得る
DXの具体的な目標が決定したら、経営陣からの承認を得るようにしましょう。
現場と企業の上層部の目的がマッチしていなければ、DXを進める意味がありません。
そのため、DX担当者は現場と経営陣の両方からのゴーサインがもらえるような企画書を作成するようにしましょう。
DX促進のための体制を作る
経営陣からの同意が得られたら、DX促進のための体制を作ることが重要です。
DXは大掛かりな革新を行うため、改革に伴う組織作りをする必要があります。
万が一社内だけで組織を作ることが厳しい際は、外部サービスを利用するようにしましょう。
既存の業務をデジタル化する
DXを実施する準備が全て整ったら、既存の業務をデジタル化を行います。
企業によってDX推進は異なりますが、DXの目的で決めた目標を実行できるように心がけることが大切です。
DX推進によって新しい価値が得られるような「攻めの姿勢」を意識しましょう。
PDCAサイクルをまわし続ける
DXを推し進めることができた後も、PDCAサイクルを回し続けることが重要です。
定期的に実施しているDXを見直して改善することで、より良いDXを実現することが可能になります。
DXの課題
ITやDXに詳しい人材が少ないことが、日本におけるDXの課題です。
日本の約8割の企業が、DX促進を行える人材が不足していたり、ITに関する知識がなかったりといった課題を抱えています。
DXを実行するには、現状問題をIT技術と組み合わせて解決できるノウハウや経験が必要不可欠となるにも関わらず、自社にそういった人材や知識がないため、DXを進めたくても進められないといった企業が数多く存在しています。
DXに取り組んでいる企業事例
DXに取り組んでいる企業事例を紹介していきます。
メルカリ
メルカリは、不要になった洋服や家具などを売ったり買ったりすることができるネット上のフリーマーケットサービスです。
従来のフリマサービスはPCでやり取りをすることが一般的だったため、利用者が伸びずネットオークションの敷居が高いといった課題を抱えていました。
しかし、メルカリはスマホアプリで簡単に不用品の売買取引を行えるサービスを開発しました。
さらにメルカリで利用できる独自決済サービスの提供によって、売上金の活用方法を多様にし顧客満足度を向上させることに繋げました。
BMW
BMWはドイツを本社とする世界的に有名な車メーカーの会社です。
これまで顧客が車を購入するためには、実店舗に足を運ぶ必要がありましたが、BMWはアプリ上で実寸大の車を見れたり、オプションパーツを変更したりできるようなサービスを開発することに成功しました。
顧客に従来と異なる体験を提供することで、結果的に多くの新規顧客を獲得することに成功しました。
ユニメイト
ユニメイトは、ユニフォームのレンタルをメイン事業としている企業です。
ユニメイトでは採寸の際のヒューマンエラーによって、返品コストや商品交換コストが掛かってしまうといった課題を抱えていました。
そこで、ユニメイトはカメラで人物を撮影することで、AIが自動的に採寸してくれるサービスを開発しました。
これまで手作業で行っていた業務をDX化することで、結果的に返品コストや交換コストを削減するだけでなく、作業自体のコストを下げることにも成功しました。
DXの定義や施行の流れなどのまとめ
この記事では、「DXの定義や取り組むべき理由、DXの課題」などについて解説してきました。
DXは企業のビジネスモデルを変えるだけでなく、日本社会に改革を起こすことができます。
今後、世界中でデジタル化が加速する中でDXを活用しなければ、他社にシェア率を奪われて売上が減少してしまう可能性があります。
DXを活用して自社の事業を促進させたいと考えている方は、今回の記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。