この記事を読んでいるあなたは、
- 自動販売機の設置でどれくらい儲かるのかを知りたい
- 自動販売機を設置するメリットやデメリットを知りたい
- 自動販売機の始め方や活用事例を知りたい
上記のように考えているかもしれません。
今回は、そんなあなたに向けて「自動販売機ビジネスの始め方やどれくらい儲かるのか、注意点や活用事例」などをお伝えしていきます。
自動販売機ビジネスは儲かるのか
自動販売機ビジネスは儲かるのかについて解説します。
自動販売機1台の平均売上
自動販売機1台あたりの平均売上は、年間で約35万円と言われています。
1年は365日であるため、1日あたりの売上高は1,000円に満たない計算になります。
自動販売機で売られている缶コーヒーやペットボトル飲料の価格は100円〜160円程度のため、仮に1本を120円とした場合、1日8本しか売れていない計算になります。
つまり自動販売機ビジネスは、24時間稼働して3時間で1本販売できるかどうかという「小さい商いを積み上げる」ビジネスと言えます。
そのため自動販売機の運用は、短期間での売上げを目的とするのではなく、長期的な目線で売上を見据えた運用を行うビジネスとなっています。
自動販売機オーナーの平均年収
自動販売機オーナーの平均年収は、1台あたりの年収が約35万円と言われています。
そのため、自動販売機の所有代数によって年収が変わってくることになります。
1台では僅かな年収となりますが、所有している土地に自動販売機の設置の余地があるのであれば、積極的に自動販売機を設置して売上をあげることで平均年収は上がっていくことになります。
自動販売機は狭い土地があれば設置することができ、アパートやマンション経営、駐車場経営などで利用している土地の空いたスペースでも自動販売機は設置できます。
そのため、数多くの台を設置することで平均年収を上げることができます。
自動販売機を設置するメリット
自動販売機を設置するメリットについて解説します。
比較的低リスクで始められる
自動販売機は、比較的低リスクで始めることができます。
自動販売機を設置した際の経営におけるリスクは、電気代が販売利益を上まってしまう場合ですが、このような事態になることは滅多にありません。
さらに、あまり利益が出ない自動販売機は撤去するため、ローリターンではあるものの比較的低リスクで始められます。
また、フルオペレーションシステムによる自動販売機設置事業の場合、土地オーナーの利益を固定金額として必ず利益が出る契約とすることもできるため、リスクを回避することもできます。
初期費用がほとんどかからない
自動販売機は、初期費用がほとんどかかりません。
自動販売機を設置する際に、オーナーが負担しなければならないのは電気代のみとなります。
機材は飲料メーカーからオペレーターに無償付与されており、オペレーターも機材の請求をしてくることがないため費用はかかりません。
狭い土地でも有効活用できる
自動販売機は、狭い土地でも有効活用することができます。
自動販売機は、幅100cm、奥行き70cmほどのスペースがあれば設置できるため、狭い土地でも有効活用できます。
土地さえればどこでもというわけではありませんが、道路の前や人通りの多いところに自動販売機を設置するスペースがあれば積極的に自動販売機を設置するべきです。
防犯や防災対策になり地域の役に立つ
自動販売機は、防犯や防災対策になり地域の役に立ちます。
自動販売機は24時間常に電源がついているため、特に夜には周りを明るくすることができ、防犯の対策になります。
また、地震や自然災害の影響で物資の支給などが困難となった場合にも、自動販売機があることで飲料水の確保につながる場合があります。
自動販売機を設置するデメリット
土地によっては高い儲けは期待できない
自動販売機は、土地によって儲けを期待できません。
少しの土地があれば設置ができる自動販売機ですが、そもそも利用されることがなければ収益を得ることはできません。
自動販売機を設置しても、人が全く通りかからない場所などでは高い儲けを得ることはできません。
自動販売機を設置する際は、設置場所にどれだけの人通りがあるかを確認しましょう。
ゴミやいたずら被害を受ける可能性がある
自動販売機は、ゴミやいたずら被害を受ける可能性があります。
自動販売機用に設置したゴミ箱でも、関係ないゴミを捨てる人が必ず現れます。
また、自動販売機自体にいたずら書きなどをするいたずらを受ける可能性もあります。
特に、ゴミ問題は深刻化すると近所迷惑にもなりクレームの原因ともなるため、ゴミ問題への対応は安定的な自動販売機運営には欠かせません。
電気代などのランニングコストがかかる
自動販売機は、電気代などのランニングコストがかかります。
比較的低コストで始めることができる自動販売機の運営ですが、電気代だけはオーナー自身が支払う必要があります。
節電機能の付いていない自動販売機では1ヶ月の電気代は1台当たり4,000〜6,000円程度となっており、節電タイプであれば1ヶ月2,000〜3,000円程度が目安となっています。
電気代がどれくらいかかっているかということと、自動販売機の利益を見比べて自動販売機の運営を続けているかを検討する必要があります。
自動販売機を設置する際の注意点
自動販売機を設置する際の注意点を解説します。
クレームが来ることを覚悟しておく
自動販売機を設置する際は、クレームが来ることを覚悟しておきましょう。
「お金を入れたのにジュースが買えなかった」「お釣りが出て来なかった」など、自動販売機ビジネスには様々な問題が起きます。
大概の問題は自動販売機のメーカー側で対応を行いますが、場合によっては直接オーナーにクレームが来る可能性があることを覚えておきましょう。
土地の制限など思わぬ落とし穴に注意する
自動販売機を設置する際は、土地の制限など思わぬ落とし穴に注意しましょう。
自動販売機は私有地にしか設置することができないため、自動販売機が公共保有地に少しだけはみ出してまう場合は、設置することができません。
また、私有地であっても自動販売機が不要な人にとっては邪魔なものにしかならないため、周りに確認せずに設置するとクレームが来るかもしれません。
そのため自動販売機を設置する際は、土地の制限や場所をよく確認しておきましょう。
「イエウール土地活用」などの専門家に相談する
出典:https://ieul.jp/land/
自動販売機を設置する際は、専門家に相談しましょう。
「イエウール土地活用」とは、全国の建築会社と提携を結んでアパート経営などの様々な土地活用プランを一括請求できるサイトです。
自身の土地で自動販売機で土地活用できるかどうか、イエウール土地活用に相談してみるのも良いかもしれません。
他の土地活用方法も検討する
自動販売機を設置する際は、他の土地活用方法も検討しましょう。
狭い土地でも始めることができる自動販売機での土地活用ですが、土地の広さによっては他の土地活用方法も検討が可能です。
土地の広さによっては、自動販売機ではなく小さな駐車場としても土地活用ができる場合があります。
自動販売機ビジネスのオーナーになるには
自動販売機ビジネスのオーナーになる方法をお伝えします。
フルオペレーション
自動販売機経営でのフルオペレーションとは、自身が所有している土地や設置場所のみを提供して自動販売機の運営や管理にまつわるすべての業務をオペレーターと呼ばれる専門会社に委任する経営方式です。
フルオペレーションでは、オペレーターが自動販売機を手配するため設置者が自ら機械をリースしたり購入する必要がありません。
セミオペレーション
自動販売機経営でのセミオペレーションとは、自動販売機の管理を所有者が行うもので自身で自動販売機を購入して自身で商品を追加し、自身で売上金の回収を行います。
セミオペレーションでの利点は、売上金から電気代や商品の仕入れ費用と電気代を差し引いた費用が自分の手元に入ります。
自動販売機ビジネスの始め方
自動販売機ビジネスの始め方をお伝えします。
- 1.メーカーに問い合わせる
- 2.ヒアリングを行う
- 3.収益性などを査定してもらう
- 4.納得できたら契約する
メーカーに問い合わせる
自動販売機の経営を始めるにはフルオペレーションとするかセルフオペレーションとするかで大きく手順が変わりますが、まずはメーカーに問い合わせをします。
フルオペレーションの場合は様々なオペレーターから選んで問い合わせを行い、セルフオペレーションの場合は自身で自動販売機を選ぶことになります。
一般的な自動販売機の値段は、以下の通りです。
- 飲料用自動販売機:約20~30万円
- 食品用自動販売機:約50~70万円
- 冷蔵・冷凍機能付き自動販売機:約100万円〜
ヒアリングを行う
問い合わせたら、ヒアリングを行います。
フルオペレーションの場合は、自身がどのような土地を自動販売機の経営で活用したいかなどをオペレーターに要望を伝えることで、オペレーターがその土地で自動販売機の経営が有効かどうかなどのアドバイスを提案します。
セルフオペレーションの場合は飲料品や食料品、タバコなど、どのような自動販売機が欲しいかだったり自動販売機にどのような機能が必要かだったりをメーカーに伝えることで、希望の自動販売機をメーカーから提案を受けることができます。
収益性などを査定してもらう
次に、収益性などを査定してもらいます。
フルオペレーションにて自動販売機の経営者の要望をオペレーターが受けたら、その内容に応じてオペレーターは収益性などを査定します。
査定した結果、その土地では収益が見込めないとの判断があると、自動販売機を設置することを断念する必要がありますが、別の土地活用方法を提案してもらえる場合もあります。
セルフオペレーションの場合は、要望のあった自動販売機についての費用を提案されることになります。
納得できたら契約する
最後に、契約を行います。
フルオペレーションにて査定の結果が問題なければ契約に入り、契約が締結すれば自動販売機が設置され運用が開始されます。
セルフオペレーションの場合は、希望した自動販売機を自身の土地に設置して自動販売機の運用を開始します。
ローリターンの自動販売機運営であるためなかなか結果が出ることがないですが、月の売上などを見ながら運営を継続していくかを検討しましょう。
自動販売機ビジネスの活用事例
自動販売機ビジネスの活用事例を解説します。
食べ物やお花などの生鮮食品を販売する
自動販売機では飲料品以外にも様々なものを取り扱うことができ、例えば、食べ物やお花などの生鮮食品を販売することができます。
食品自販機と呼ばれており24時間365日稼働することができ、生活者のライフスタイルに合わせて商品を購入することが可能です。
また、非接触、非対面で販売ができコロナ禍における感染症対策の観点でも注目を集めており、2020年時点での普及台数は約7万台となっており近年では、冷凍機能を持つ食品自販機も普及していて生活者のニーズを捉えています。
食品自販機は、今の時代に即した販売チャネルとなっておりお店のメニューを自販機で提供しオフィスや自宅で本格的な味を楽しむことができるような食品があります。
珍しい商品を陳列して話題を集める
昨今では様々な自動販売機があり、珍しい商品を陳列して話題を集めているものもあります。
一風変わった商品でも自動販売機で販売することができ、注目度を集めることができれば大きな収益を生み出す自動販売機に生まれ変わるかもしれません。
珍しい商品を陳列して話題を集めている自動販売機には、以下のようなものがあります。
伊勢うどん自動販売機
伊勢うどん自動販売機は、三重県津市にある自動販売機です。
エビスヤ三重食品が設置しておりうどんとスープが入っており家で実際に作って食べることができます。
醤油かりんとう自動販売機
醤油かりんとう自動販売機は、下津醤油が設置している自動販売機です。
たまごかけ専用醤油やたまごやき専用醤油などバリエーションに富んだ商品が自動販売機で購入できます。
鶏ごぼう飯自動販売機
鶏ごぼう飯自動販売機は、飯処しるべが設置している自動販売機です。
実際のお弁当を自動販売機で購入することができます。
天まき自動販売機
天ぷらさか本がお店の真横に設置しており、お店で提供しているものと同じ天まきを自動販売機で販売しています。
四日市とんてき自動販売機
まつもとの来来憲が店舗横で四日市とんてきを自動販売機で販売しています。
自動販売機で購入した後はあたためて食べるのがおすすめです。
ほづみバーガー自動販売機
ほづみバーガーを販売している店舗が自動販売機でハンバーガーを販売しています。
自動販売機で購入した後はあたためて食べるのがおすすめです。
担々麺・焼豚自動販売機
中国料理華実苑がお店自慢の自家製焼豚や担々麺を自動販売機で販売しています。
作り方も同梱されているので家で作るのも簡単です。
関の戸 自動販売機
深川屋陸奥大掾の敷地内にある自動販売機で、食品だけでなく絵馬なども自動販売機で販売されており購入することができます。
チーズケーキ自動販売機
テイクアウトチーズケーキ専門店「FROM」が店舗前に自動販売機を設置しており、店内で購入できるものと同じチーズケーキを自動販売機で販売しています。
クレープ・パフェ缶自動販売機
クレープ店「RiccaRicca」の店先に自動販売機を設置してクレープを販売しており、自動販売機で購入できるため、24時間365日いつでもクレープを購入することができ、営業時間外の夜でもクレープやパフェが食べられます。
米粉シフォンケーキ自動販売機
松阪市に米粉シフォンケーキを販売している自動販売機が設置されています。
自動販売機で購入した後はその場で食べることができます。
大福自動販売機
フルーツ大福「季の福」の自動販売機が設置されており、お店と同じ味が自動販売機で購入しても楽しむことができます。
Dream自動販売機
松阪市役所前にDream自動販売機という自販機が設置されています。
多種多様なものが自動販売機に入っており、例えば、おでん缶や焼き鳥缶などで、店主の気分によって自販機に入るものが変わるようで行く度にラインナップが変わっていて飽きることのない自販機となっています。
雑貨自動販売機
鳥羽国際ホテルに、障がい者の就労支援事業などを目的とした自動販売機が設置されています。
自動販売機にて販売している商品は障がい者の方が作成した商品が入っており、これは、自動販売機の管理や運営(商品の補充、周辺の清掃、お金の計算など)を通じて、障がい者の方の自立支援をめざしている自動販売機となっています。
自動販売機ビジネスに関してよくある質問
自動販売機ビジネスに関してよくある質問を紹介します。
自販機を設置するのに必要な面積はどれくらい?
自動販売機は、幅100cm、奥行き70cmほどのスペースがあれば設置ができます。
また、アパートやマンション経営をしていたり、月極やコインパーキングなどの駐車場経営をしていたりする場合でも、空きスペースがあれば自販機を設置することができます。
所有している土地や既に土地活用している土地が人の集まりの多い場所であれば、自販機の設置を検討することが十分に可能です。
自販機を設置するのに必要な設備はある?
自販機の経営における契約形態で、フルオペレーションの場合は自動販売機の専用オペレーターに自販機の設置を依頼するため自販機の設置に必要な設備は特にありません。
セミオペレーションの場合は、自身で自動販売機を購入して設置する必要があるため、自動販売機自体の購入費用などがかかります。
自販機ビジネスを始める際の初期費用はどれくらい?
自販機ビジネスを始める際の初期費用にかかるのは電気代のみです。
自動販売機自体の費用やその設置費用などはフルオペレーションであれば、自動販売機の専用メーカーであるオペレーターがすべて負担してくれます。
自動販売機の専用メーカーにとっては土地を持ったオーナーが自動販売機を設置してもらえることで、その分の利益を拡大できるためです。
このような利益拡大のメリットがあるため、自動販売機の専用メーカーは新規契約者を増やすべく初期費用をゼロとしており、自販機ビジネスを始めるときの初期費用は0円となっています。
初期費用が0円のため、自身の土地に自販機の設置するスペースがあるのであれば、積極的に自販機の設置を検討することをおすすめします。
自動販売機ビジネスは儲かるのかまとめ
この記事では、「自動販売機ビジネスの始め方やどれくらい儲かるのか、注意点や活用事例」などをお伝えしてきました。
自販機の設置は初期費用0円で行うことができるためノーコストで自販機の運用を始めることができますが、収益は少ないため長期的な目で運用を行うことが必要です。
また、自販機にて取り扱うことができる商品は多岐に渡り、珍しい商品で目を引くことができればより多くの収益を得ることができます。
狭い土地さえあれば自販機の運用を始めることができるため、自身の所有している土地を見直して空きスペースがあれば自販機の運用を検討してみてください。