この記事を読んでいるあなたは、
- 助産師の平均年収や仕事はきついのかが知りたい
- 看護師と比較して給料やつらさはどうなのか知りたい
- 助産師で年収アップの方法や年収1,000万を目指せるかが知りたい
上記のように考えているかもしれません。
今回は、そんなあなたに「助産師の平均年収や地域別の年収、看護師との比較や年収アップの方法」などを紹介します。
助産師とは?
助産師とは、「助産または妊婦、新生児の保健指導を行うことを生業とする女性」のことです。
日本では助産師の国家資格は女性のみ取得可能となっています。
助産師の仕事は出産時だけでなく、出産前から出産後の母子のケアなど多くの母子に関わる仕事が含まれます。
妊娠・出産・産後ケアなどの分野に至るまで、母子の健康を支える仕事が助産師になります。
助産師はきつい?
助産師の仕事は非常に大変だと言われています。
助産師の仕事は出産時の仕事をはじめとして、新生児や母体のケア、肉体的な労働だけでなく、精神的なケアも求められます。
赤ちゃんとお母さんの命を授かる仕事であり、簡単にできる仕事というわけではありません。
助産師の平均年収・給料
助産師の平均年収は553.9万円、月の給料は38.8万円、ボーナスは88.8万円となっています。(令和3年賃金構造基本統計調査による)
全国平均年収が令和2年民間給与実態統計調査によると、433万円でした。
そのため、助産師の平均年収は全国平均よりも高い水準となっています。
【年齢別】助産師の平均年収
助産師の平均年収を年齢別で紹介します。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20代 | 458万円 |
30代 | 530万2,000円 |
40代 | 630万5,000円 |
50代 | 702万6,000円 |
(参考:令和3年賃金構造基本統計調査)
助産師は年齢が上がるにつれて、年収も上がっていきます。
特に30代から40代にかけての年収の増加が大きく、その差は100万円になっています。
【全国】助産師の年収ランキング
全国の助産師の年収ランキングは、以下の表のとおりです(令和3年の厚生労働省調査より)。
都道府県 | 年収(想定年収) |
---|---|
岐阜県 | 909万2,000円 |
山口県 | 682万7,000円 |
大分県 | 675万5,000円 |
群馬県 | 644万円 |
奈良県 | 626万円 |
茨城県 | 620万4,000円 |
愛知県 | 617万5,000円 |
佐賀県 | 599万7,000円 |
東京都 | 592万7,000円 |
大阪府 | 590万4,000円 |
京都府 | 589万2,000円 |
新潟県 | 585万2,000円 |
熊本県 | 582万円 |
埼玉県 | 581万8,000円 |
高知県 | 574万5,000円 |
まとめた表を見てみると、助産師の平均年収は都心部だから高いというわけではありません。
平均年収は、各地の助産師の需要や賃金相場などに左右されます。
【地域別】助産師の平均年収
地域別での助産師の平均年収について紹介します。
【東京】助産師の平均年収
東京都の平均年収 | 月給換算 |
---|---|
592万7,000円 | 49万3,916円 |
東京の平均年収は592万7,000円で、月給換算すると49万3,916円になります。
国税庁による令和2年の平均年収である433万円より100万円以上多くなっています。
【関東】助産師の平均年収
関東エリアの助産師の平均年収は、約549万8,000円となりました。
平均年収が茨城県が一番高く千葉県が一番低くなっており、その差は200万円もあります。
関東エリアの中で千葉県の平均年収が圧倒的に低く、次に低い栃木県とは100万円ほど差ができています。
関東エリアの都道府県の平均年収を以下の表にまとめました。
関東エリアの都道府県 | 平均年収 |
---|---|
千葉県 | 414万5,000円 |
神奈川県 | 522万3,000円 |
埼玉県 | 581万8,000円 |
栃木県 | 516万円 |
群馬県 | 644万円 |
茨城県 | 620万4,000円 |
【東海】助産師の平均年収
東海エリアの助産師の平均年収は、約555万8,000円となりました。
平均年収は岐阜県が圧倒的に高く、次に高い愛知県との差は300万円近くあります。
岐阜県の影響もあり、エリア別で見ると東海エリアは高い水準となっています。
東海エリアの都道府県の平均年収を以下の表にまとめました。
東海エリアの都道府県 | 平均年収 |
---|---|
愛知県 | 617万5,000円 |
岐阜県 | 909万2,000円 |
三重県 | 566万円 |
静岡県 | 571万7,000円 |
山梨県 | 436万6,000円 |
長野県 | 486万1,000円 |
新潟県 | 585万2,000円 |
富山県 | 507万円 |
石川県 | 445万4,000円 |
福井県 | 433万円 |
【北海道・東北】助産師の平均年収
北海道・東北の助産師の平均年収は、約511万2,000円となりました。
平均年収は宮城県が一番高く青森県が一番低くなっています。
青森県の平均年収(助産師)のみが全国の平均年収である433万円より低くなっている状態です。
北海道・東北エリアの都道府県の平均年収を以下の表にまとめました。
北海道・東北エリアの都道府県 | 平均年収 |
---|---|
北海道 | 554万2,000円 |
青森県 | 440万6,000円 |
岩手県 | 486万5,000円 |
宮城県 | 567万円 |
山形県 | 466万3,000円 |
秋田県 | 538万6,000円 |
福島県 | 525万3,000円 |
【関西】助産師の平均年収
関西エリアの助産師の平均年収は、約578万円となりました。
平均年収は奈良県が一番高く和歌山県が一番低くなっており、その差は70万円ほどです。
他のエリアと比べると、エリア内での差はあまりありません。
エリア別で見ると、関西エリアの平均年収が一番高くなっています。
関西エリアの都道府県の平均年収を以下の表にまとめました。
関西エリアの都道府県 | 平均年収 |
---|---|
大阪府 | 590万4,000円 |
京都府 | 589万2,000円 |
滋賀県 | 566万9,000円 |
奈良県 | 626万円 |
兵庫県 | 548万3,000円 |
和歌山県 | 547万6,000円 |
【中国・四国】助産師の平均年収
中国・四国の助産師の平均年収は、約495万円となりました。
平均年収は山口県が一番高く香川県が一番低くなっており、その差は300万円以上とかなりの差があります。
エリア別では、中国・四国エリアの平均年収が一番低くなっています。
中国・四国エリアの都道府県の平均年収を以下の表にまとめました。
中国・四国エリアの都道府県 | 平均年収 |
---|---|
鳥取県 | 458万8,000円 |
島根県 | 451万9,000円 |
山口県 | 682万7,000円 |
岡山県 | 422万5,000円 |
広島県 | 519万2,000円 |
愛媛県 | 530万6,000円 |
香川県 | 347万4,000円 |
高知県 | 574万5,000円 |
徳島県 | 469万8,000円 |
【九州・沖縄】助産師の平均年収
九州・沖縄の助産師の平均年収は、約508.7万円となりました。
平均年収は大分県が一番高く沖縄県が一番低くなっており、その差は370万円以上と大きな差です。
全都道府県で沖縄県が一番低い平均年収となっています。
九州・沖縄エリアの都道府県の平均年収を以下の表にまとめました。
関東エリアの都道府県 | 平均年収 |
---|---|
長崎県 | 338万4,000円 |
佐賀県 | 599万7,000円 |
福岡県 | 516万円 |
熊本県 | 582万円 |
大分県 | 675万5,000円 |
宮崎県 | ー |
鹿児島県 | 547万1,000円 |
沖縄県 | 301万9,000円 |
※宮崎県はデータなし
助産師で年収アップする方法
助産師で年収をアップする方法を紹介します。
病院の管理職を目指す
助産師で年収をアップする方法の1つとして、病院の管理職を目指す方法があります。
助産師の管理職には主任や助産師長、部長などがあります。
役職が1つ上がるだけで基本給は月に約数万上がり、役職手当もつくため、年間で見ると大幅に年収がアップします。
管理職を目指すためには、助産師として長い間経験を積み、スキルを磨き続けなければなりません。
現場経験の他にコミュニケーションスキル、責任感も必要となってくるため、日々の仕事をひとつずつ丁寧に取り組むことが大切です。
助産師として独立する
助産師で年収をアップする方法の1つとして、助産師として独立する方法があります。
「助産師として経験年数が最低5年以上」や「分娩件数200件以上」などいくつかある開業条件を満たせば、助産師として開業することは可能です。
助産院の経営が安定してこれば、助産師の平均年収を上回る可能性があります。
一方で、初期費用がかかることや経営者としての責任が大きく、経営不振になるリスクが伴います。
助産師として独立することは、単に年収をアップさせるためだけではなく、経営しながら母子の命を預かる責任があることを心に留めておきましょう。
年収の高い職場に転職する
助産師で年収をアップする方法の1つとして、年収の高い職場に転職する方法があります。
まず、働く病院を変える方法です。
国立病院の方が民間病院より年収が高い傾向にあります。
国立病院で働く助産師は国家公務員という立ち位置になり、年収は500〜700万円前後となります。
また、福利厚生などもきちんと整っているため働きやすい職場です。
次に、一般企業に転職する方法です。
助産師資格が有利となる仕事としては、
- 臨床開発モニター
- 医療専門のオペレーター
- 産業看護師
など様々あります。
特に製薬会社では、臨床開発モニターなどの助産師の資格が必須、または有利となる職種がいくつかあります。
他分野で働くということは、助産師とは異なる新たな知識も必要となってくるため注意が必要です。
興味のある方はぜひチャレンジしてみましょう。
助産師と看護師の比較
助産師と看護師の比較を解説していきます。
助産師と看護師の仕事の違い
助産師は、妊産婦と新生児を対象者としてケアを行いますが、看護師は、病気や怪我をした赤ちゃんからお年寄りまでの患者の診察と介助に関わります。
助産師の仕事は出産時の介助をするだけでなく、妊娠時や産後の母親のメンタル面でもフォローをします。
母子の健康状態を管理し、退院後の生活や育児に関するアドバイスも行います。
看護師は、医師の診察や治療の補助をすること以外にも、入院している患者の食事や排泄などの日常生活の手助けを行います。
治療や診察時は医師の指示に従い行うため、看護師の判断で患者の治療をすることはしません。
助産師と看護師ではどっちが大変か?
助産師と看護師は、必要資格と仕事内容のどちらも助産師の方が大変です。
看護師になるためには「看護師資格」だけで良いですが、助産師になるためには「看護師資格」と「助産師資格」の2つの国家資格が必要となります。
助産師は、看護師の知識以外にお産や新生児に関する専門的知識も必要となってきます。
仕事内容では、助産師も看護師も命を預かる面ではどちらも責任が重大ですが、助産師は常に何が起こるかわからない母子2人分の命を守らなけらばなりません。
助産師はお産がいつ始まるかわからないため、常に緊張しながら業務にあたる必要があります。
100%安全な出産はないからこそ責任は重く、看護師に比べ精神的にも体力的にも大変な仕事です。
助産師と看護師の年収・給料はどっちがいいか?
助産師と看護師の平均年収を表でまとめました。
助産師 | 看護師 | |
---|---|---|
平均年収 | 5,538,800円 | 4,986,200円 |
平均月給 | 387,600円 | 344,300円 |
平均賞与額 | 887,600円 | 854,600円 |
(参考:令和3年賃金構造基本統計調査)
助産師と看護師では、助産師の方が平均年収が50万円ほど高くなっています。
助産師は専門的業務であることやお産に関するニーズの多様化により需要が高まってきており、平均年収が高い傾向にあります。
また、助産師は「看護資格」と「助産師資格」の2つの資格を所有していることも年収が高い要因です。
助産師で年収1,000万を目指せる?
助産師で年収1,000万を目指すことは可能です。
1,000万円を稼ぐためには、助産師長や看護師長などの役職に就いたり、転職したりする必要があります。
役職に就くためには、ある程度の現場経験や働きぶり、職場からの信頼度も関わってくることから、毎日の仕事をひとつずつ丁寧に積み重ねていくことが大切です。
転職する企業としては、
- 医療機器メーカー
- 製薬会社
- 美容外科の病院
などが、年収1,000万円を超える可能性があります。
美容外科では、歩合制を採用するクリニックが多いため、化粧品や施術を患者が購入すれば売上実績が上がり収入もアップします。
助産師の年収についてよくある質問
助産師の年収についてよくある質問に回答していきます。
助産師の年収は大卒だと高いですか?
病院にもよりますが、年収は変わらないところがほとんどです。
看護師ではほとんどが大卒と専門卒で分けられていますが、助産師の場合は「助産師」として一括りにされているところが多いです。
助産師で給料が高い病院はありますか?
民間病院より大学病院や国立病院の方が給料が高い傾向にあります。
助産師として高めの収入を得たい場合は、給料が高く福利厚生もしっかり整っている規模の大きい病院がおすすめです。
民間病院も経営が安定しているところであれば、高待遇で働ける場合もあります。
助産師はやはりきついですか?
助産師の仕事は、働く時間が不規則な上、いつ何が起こっても不思議ではない場所で母子の命を預かっているため、精神的にも体力的にも大変な仕事です。
また、死産や流産になってしまう場合もあり、辛い場面に立ち会わなければなりません。
しかし、新しい命が誕生する瞬間に立ち会えること、母親と共に達成感を分かち合えることはとても魅力的でやりがいを感じます。
助産師で年収600万、700万は可能ですか?
役職などの管理職に就いたり、助産師として独立したりすることによって年収600、700万円を目指すことは可能です。
そのためには、まず現場経験をしっかり積み、スキルを磨き続けることが大切です。
また、働く場所を病院に限らず、「看護師資格」「助産師資格」を活かして、一般企業に転職する道もあります。
その場合は助産師とは異なる新たな分野の知識も必要となってきます。
助産師の年収や看護師との比較まとめ
この記事では「助産師の平均年収や地域別の年収、看護師との比較や年収アップの方法」などを紹介してきました。
助産師の平均年収は、全国の平均年収に比べて高いといえますが、地域や病院によって差があります。
看護師より高い年収ですが、その分専門的な知識や技術力が求められ、精神的にも体力的にも大変なお仕事です。
年収アップを目指す場合は、責任のある役職に就く、独立する、転職するなど自分に合った方法を探してみてください。