日本の年収の中央値は?年齢や業種、地域別などでも解説

この記事を読んでいるあなたは、

  • 日本の年収の中央値が知りたい
  • 年齢や業種、地域別で年収の中央値が知りたい
  • 年収アップするための方法が知りたい

上記のように考えているかもしれません。

今回は、そんなあなたに「日本の年収の中央値、年齢や業種、地域別の年収の中央値」などを紹介します。

中央値とは?

中央値とは

中央値とは、全ての値を大小どちらかの順番に並べた際の中央の値を指します。

値の個数が偶数の場合は、中央の2つの値の平均値が中央値となります。

また、平均値と中央値は求め方が違うため一般的に値は異なりますが、データの分布が対象な際に限り平均値と中央値は一致します。

平均値と中央値の違い

平均値と中央値は求め方が異なります

平均値は全ての値を全て足してから、足した数値の数で割った数値であり、中央値は全ての値を大小のどちらかの順番に並べていき、その中央にくる数字が中央値です。

以下に例を示しました。

例) 年収のデータ(万円):500、300、100、500、600

年収の平均値:(500+300+100+500+600)÷5=400年収の平均値400万

年収の中央値:100、300、500(中央)、500、600→年収の中央値500万

日本の年収の中央値

日本の年収の中央値

日本の年収の中央値は今どうなのかと思っている人に、数字で紹介させていただきます。

日本全体の平均年収が461万、それに比べて日本全体の年収中央値は約396万となっています。

この数値は男女の合計で計算されており性別や年代、業種、雇用形態によって年収中央値の数字は大きく変動するのが実情です。

年収平均値と違って、年収中央値はリアルな数字となっているため参考にしやすいです。

平均年収だと、年収がずば抜けて高い人たちが平均年収をグンとあげてしまうため、平均年収の方が高い数字として出てしまいます。

【男女別】年収の中央値

【男女別】年収の中央値

男女別での年収の中央値を以下の表にまとめました。

性別年収中央値
男性532万
女性293万

男女別の年収の中央値を見てみると、男性の年収の中央値は532万となっており、女性の年収の中央値は293万という結果になりました。

男女の差額は239万で、男性と女性とではやはり結婚・出産をすることで女性の年収が下がってしまうことが大きな原因の1つです。

実際に子育てをしながらフルタイムで仕事もするのは、かなりハードで大変です。

働きやすい環境の整備が進んでいけば、女性の年収の中央値があがる日もくるでしょう。

表の数値を見てみると、一般的によく使われている平均年収と年収中央値の差額もこれほどあるということで、自分の年収と比べる場合には年収中央値の値を参考にするといいかもしれません。

【年齢別】年収の中央値

【年齢別】年収の中央値

年齢別の年収の中央値を解説していきます。

【20代】年収の中央値

20代の年収の中央値は以下の表の通りです。

性別年収中央値
20代男性270万
20代女性255万

20代男性の年収の中央値は約270万、女性は約255万で、数字だけみるとかなり低い金額です。

中小企業や自営業に比べて、大企業の方が20代の年収の中央値は高くなる傾向があります。

20代の年収中央値の特徴として、それほど男女差がないのが特徴です。

男女ともにバリバリ働く人が多い年代ということが背景にあるでしょう。

しかし、20代ではどれだけ頑張っても、年収に直結しない、給料アップに繋がらないという辛い時期です。

辛い時期を乗り越えられずに辞めていく若者世代も多いのが、今の日本の雇用形態を変えていかなければいけない1つの要因です。

【30代】年収の中央値

30代の年収の中央値は以下の通りです。

性別年収中央値
30代男性395万
30代女性348万

30代になると、年収中央値が100万以上上がることが表から見て分かります。

30代になるタイミングで一気に昇給するという企業も多いです。

20代と30代には年収の壁が高く、20代の時にはなかなか昇給しなかった人も長く30代まで長く務めることで評価に繋がることも多いです。

男女差を見てみると、30代から少しずつ差が出てくるのが特徴です。

女性は結婚・出産をする人が多くなるのが背景にあります。

【40代】年収の中央値

40代の年収の中央値は以下の通りです。

性別年収中央値
40代男性440万
40代女性350万

30代男性と40代男性の年収中央値を比べてみると、年収の伸び率はあまり高いとは言えません。

40代男性となると、家庭を持ち一家の大黒柱と働く世代でもあるため年収は高くなる傾向にありますが、40代から業種や企業によっての年収の差が大きくなってきます。

さらに早い人だと、幹部などの役職がつく人もいる年代です。

一方で女性は、30代と比べても年収の伸び率は平行線です。

【50代】年収の中央値

50代の年収の中央値は以下の通りです。

性別年収中央値
50代男性525万
50代女性350万

50代男性の年収中央値は、40代に比べて伸び率は高くなくなっています。

背景にはすでに管理職に上りつめてしまったことや、さらに中小企業や大企業との年収の差が大きくなる年代でもあります。

女性の年収中央値は、30代からほぼ変わらないという結果になりました。

結婚や出産を機に退職をして、育児が落ち着いてからもゆるくパートで働く人が多いということが表を見ても分かります。

【業種別】年収の中央値

【業種別】年収の中央値

業種別の年収の中央値を以下の表にまとめました。

業種男性の年収中央値女性の年収中央値
技術士565万481万
システムエンジニア490万417万
医師1,030万853万
薬剤師504万450万
看護師416万404万
保育士326万304万
介護士312万278万
税理士644万427万
学校教員623万532万
デザイナー418万312万
美容師297万244万
CA337万418万
自動車整備工371万292万

中央値が最も高かったのは、医師の年収中央値です。

人の命がかかっている職業ということで、年収中央値が高いのは納得できます。

逆に最も低かったのは、美容師です。

美容師は重労働の割に、給料が少ないという声がよく聞かれます。

【地域別】年収の中央値

【地域別】年収の中央値

地域別の年収の中央値を紹介していきます。

【東京】年収の中央値

東京の年収の中央値は以下の通りです。

性別年収中央値
男性460万
女性359万

東京は経済の中心地であるため、全国的に年収の中央値は高くなります。

【関東】年収の中央値

関東の年収の中央値は以下の通りです。

性別年収中央値
男性435万
女性344万

関東は東京も含まれるため、全国的に年収の中央値は高くなります。

特に能力が高い労働者が関東に集まるという背景もあり、関東圏の年収の中央値は高い数値が出ています。

【東北・北海道】年収の中央値

東北・北海道の年収の中央値は以下の通りです。

性別年収中央値
男性410万
女性305万

東北は特に金融や建設業が主力となっており、これらの業界が年収の中央値を上げています。

さらに年収の中央値が年々上昇している傾向がありますが、女性の年収の中央値の伸び率はほぼ横ばいとなっています。

【中部】年収の中央値

中部の年収の中央値は以下の通りです。

性別年収中央値
男性427万
女性330万

中部の年収中央値は、自動車産業が盛んなことが背景にあり、比較的高い傾向にあります。

東京を含む関東圏が年収の中央値は一番高いですが、中部は全国2番目に高い値を出しています。

【関西】年収の中央値

関西の年収の中央値は以下の通りです。

性別年収中央値
男性425万
女性317万

東京と比べると、関西の中心部である大阪は圧倒的に物価が安いです。

しかし、東京と大阪では年収の中央値はわずかな差だけです。

さらに関西は交通の便がとても良いため、大企業の本社を関西に構えるということが多くなっていきています。

【中国・四国】年収の中央値

中国・四国の年収の中央値は以下の通りです。

性別年収中央値
男性419万
女性306万

中国・四国では、農産物が豊富で、様々な農作物が作られています。

農業が盛んなことに加えて、半導体産業も増えてきています。

しかし、関東や関西、中部に比べると年収の中央値はやや低いというのが分かります。

【九州・沖縄】年収の中央値

九州・沖縄の年収の中央値は以下の通りです。

性別年収中央値
男性399万
女性310万

九州は交通の便も良く、さらに商業施設も数多くあり、大都市の東京には劣らない場所です。

しかし、東京と比べると物価ははるかに安いです。

とても暮らしやすい地方でもあるため、たくさんの企業も進出している伸びしろが大きい場所です。

今後さらに年収の中央値は高くなっていく予測がされています。

【雇用形態別】年収の中央値

【雇用形態別】年収の中央値

雇用形態別の年収の中央値は以下の通りです。

正規雇用456万
非正規雇用162万

雇用形態別の年収の中央値は、正規雇用で456万、非正規雇用で162万となっており、その差は約300万あります。

一家の大黒柱として働くなら、正規雇用の方が安定しますし、正規雇用しか受けられない福利厚生なども会社によってはあります。

【勤続年数】年収の中央値

【勤続年数】年収の中央値

勤続年数別での年収の中央値を以下の表にまとめました。

勤続年数年収中央値
1〜4年290万
5〜9年341万
10〜14年410万
15〜19年467万
20〜24年529万
25〜29年594万
30〜34年609万
35年以上527万

表を見てみると、勤続15年以上で年収の伸び率が高くなっていくというのが分かります。

最近は数年で辞めてしまう人が多いですが、長く勤めれば勤めるほど役職もつきますし年収もアップしていくため、まずは5年の壁を乗り越えることが大事です。

しかし給料アップが見込めなかったり、実力に見合ってなかったりする年収の場合は、勤続年数にこだわることなく早めに見切りをつけるという判断も必要です。

年収アップするには?

年収アップするには

年収アップするための方法を解説していきます。

上司に給料の交渉をする

どれだけ実績をつくっても、勤続年数が上がっても、毎日の業務量が多くなっていくだけで給料が満足に上がっていかないという人は上司に交渉するのも1つの手です。

「給料もう少し上げてもらうことはできますか?」と素直な気持ちを伝えてみてください。

もしあなたが会社にとって大切な人員だったら、話に耳を傾けてくれるはずです。

交渉をしても聞き入れてもらえなかったり、そもそも話に耳を傾けてくれなかったりする会社なら、早めに転職を考えることも将来的に大切になってきます。

副業を始める

副業OKとしている会社も多いため、もし今働いている会社が副業を承認しているのであれば副業を始めるのもおすすめです。

最近は本業だけではなく、副業でも収入を得ている人は多いです。

自分の好きなことをしてお金を稼ぐ副業もあれば、スキマ時間に携帯1つでできる副業もたくさんあります。

しかし、本業に支障がでないようにすることも大事です。

最初はお小遣い稼ぎのつもりで、気軽に始めてみてみるのがおすすめです。

キャリアアップの転職を考える

今の会社よりも給料がもらえて福利厚生もしっかりしている会社があれば、キャリアアップの転職を考えるのも得策です。

特に技術職の人や何か資格を生かして働いている人にとって、キャリアアップを考える機会は何度かあります。

ここまで長く働いてきたのにもったいないかもしれないと、いつまでたっても同じ場所に居続けることによってキャリアアップの機会を逃してしまうこともあるため、転職した方がいい絶好の機会を見逃さないようにしてください。

ある程度の知識、技術を身に着けたら、より自分の理想に近い会社を探してみるのもおすすめです。

年収の中央値まとめ

年収の中央値まとめ

普段あまり耳にしない「年収の中央値」ですが、平均年収よりもリアルな数字が見れるため、もし自分の年収と比べることがある際は「年収の中央値」を参考にしてみてください。

年代別、男女別、業種別でも年収の中央値を見てきましたが、このように数字で比較してみると差が大きいことがよく分かります。

もっと女性の社会進出が進み、結婚や出産をしても働きやすい環境が整備されれば、全体の年収の中央値はさらに上がっていくのではないでしょうか。