この記事を読んでいるあなたは、
- 会社を辞めるまでの手順について知りたい
- 会社を辞める理由の伝え方や注意点が知りたい
- 会社を辞める意思は何ヶ月前に伝えるべきか知りたい
上記のように考えているかもしれません。
今回は、そんなあなたに「会社を辞めるまでの手順や何ヶ月前に辞める意思を伝えるべきか、辞める理由の伝え方や手続きすること、注意点」などを紹介します。
会社を辞めるまでの手順
会社を辞めるまでの手順として上から順番に、
- 会社を辞めた後の準備をおこなう(3ヶ月前〜半年前)
- 会社を辞める意思を伝える(1ヶ月〜2ヶ月前)
- 退職願・退職届を出す(1ヶ月前)
- 業務の引き継ぎなどの手続きをおこなう(1ヶ月〜当日)
- 会社を辞める
といった流れになっています。
会社を辞める意思は何ヶ月前に伝える?
会社を辞める意思を伝える時期は、退職予定のおよそ1〜2ヶ月前に伝えるのが良いでしょう。
退職を申し出る時期は会社ごとの就業規則によって定められている場合もあるため、それに合わせて辞める意思を伝えます。
会社を辞める前の準備
会社を辞める前にしておくべき準備を解説していきます。
本当に辞めるべきかの気持ちの確認をおこなう
会社を辞める前に、自分が本当に会社を辞めて良いのかの気持ちを再確認しましょう。
一度退職の意思を示すと、それをくつがえすことは出来ません。
スカウトを受けていない限りでは再就職の保証もないため、しばらくは収入も安定しません。
それらのデメリットも含めて、自分の気持ちをしっかり確認する必要があります。
就業規則を確認する
就業規則は、会社員が守るべきルールです。
これには、退職する際のルールももちろん含まれています。
この規則を破ると、自分の計画通りに退職が進まないだけではなく、罰が与えられる可能性もあります。
就業規則は必ず確認するようにしましょう。
会社を辞めるまでの計画を立てる
退職を受け入れてもらいやすい退職日を決めましょう。
自分の都合だけで決めてしまうのはよくありません。
従業員の退職は会社にとって損失になるため、損失が少しでも少ない日を選ぶことで、退職をスムーズに進めらます。
退職日が決まったら、そこから逆算して、上司に告げる日、引継ぎ等の計画を立てるとスムーズです。
また、有給消化をおこないたい場合は、再就職日にも関わってくるためより綿密な計画が必要です。
会社を辞めた後の方針も立てる
退職と同時に次の就職先が決まっている場合と、そうでない場合でそれぞれ方針を決めましょう。
少し休息をとるのか、すぐに転職活動をおこなうのか、どちらにしろ失業手当など受けられるサポートを把握する必要があります。
無駄にしないためにも、退職後の方針を決めるのは大切なことです。
会社を辞める理由の言い方
会社を辞める理由の伝え方を紹介します。
直属の上司に直接伝える
会社を辞める意思を伝える際は、基本的に直属の上司に直接伝えるようにしましょう。
直属の上司以外にアポを取ることはマナー違反です。
円満退職するためにも、口頭で直属の上司に今後のことで話があるとアポ取りを行ってから辞める意思を直接伝えましょう。
ポジティブな辞める理由を伝える
会社を辞める理由を伝える際には、ポジティブな理由を伝えることが重要です。
- 現在の業界とは違う業界でステップアップしたい。
- 自分のライフステージを考えた時に、このタイミングでこの分野にチャレンジしたい。
のように理由を伝えると良いでしょう。
逆に控えた方がいいのは、ネガティブな退職理由です。
「給与や待遇が悪い」「人間関係に不満がある」などといった理由は、会社が引き止めるスキを与えることにつながります。
また、退職を告げた日から1か月は一緒に働くことになるため、かなり後味の悪い1か月となります。
そういった理由からも、ポジティブな退職理由を伝えることは大切です。
引き止めにくい理由を伝える
会社にとって従業員の退職は大きな損失のため、あらゆる手段を使って退職を引き止めようとしてきます。
- 退職したいと思っているのですが……と弱気で相談する。
- 残業が多くて……
などといった相談ベースであったり、待遇面が退職理由になったりすると、上司は必ず引き止めてくるでしょう。
そして、「待遇面は改善するから」「給与査定で今度昇給するようかけあうから」など、退職する理由をひとつひとつくつがえす提案をされて、一度固めた意志がゆらいでしまいます。
そうならないためにも、強い退職の意志を示し、引き止めにくい理由で退職を申し出ることが大切です。
退職希望日や最終出社日を伝える
会社を辞めるまでの計画で立てた、もっとも退職しやすい日を退職日として伝えましょう。
有給が何日余っているかも計算し、会社にとって不利益になりにくい日を選ぶことが重要です。
また、自分が受け持っている業務の引継ぎが、滞りなく終わるようなスケジュール感であることも重要です。
こういった計画が曖昧だったり、会社にとって不利益になる日であったりすると、スムーズに退職できなくなります。
十分に計画してから伝えましょう。
あくまでもこれは退職希望日になることを忘れてはいけません。
上司と相談し決定することで円満に退職ができます。
そのためにも軸を持って退職の計画をたてておきましょう。
退職願・退職届の提出方法
退職願・退職届の提出方法を解説します。
退職願と退職届の違い
退職願と退職届には大きな違いがあります。
- 退職願:会社に対して退職を願い出るための書類(却下される可能性あり)
- 退職届:会社に自分の退職を通告するための書類(法律上は届け出後2週間で契約終了)
一見すると、退職届は会社に退職の可否を問わないため、自分の希望日で退職できると思われがちですがそうではありません。
一方的なコミュニケーションでは、会社とのトラブルを招く可能性があります。
退職願や面談の機会を使って、はやいうちから退職の意思を伝えることが重要になります。
直属の上司に提出する
一般的に直属の上司に退職願・退職届を提出します。
一方的に渡すのではなく退職の意思を知らせ、会社の承諾を得てから退職願を出す、という形が望ましいです。
就業規則を確認する
一般的に雇用の期間に定めがない従業員(=正社員)は、民法により、退職申し出期間が定められています。
このルールは「従業員は、退職の2週間前までに通知すればよい」という内容です。※民法第627条第1項
会社の就業規則に「退職の1か月前までに申し出ること」と記載があった場合、民法の規定と就業規則だと、民法のほうが優先されます。
しかし、就業規則を無視してよいわけではありません。
円満に退職するためにも、ルール上どうかではなく、組織の一員として責任を果たすためにも、就業規則をよく読み込み退職の準備を進めてください。
退職届提出後の手続き
退職届を提出した後の手続きについて解説します。
業務の引き継ぎをおこなう
業務の引継ぎは、退職するにあたりおこなう作業のもっとも重要な項目です。
上司と相談して決定した退職日からさかのぼって、引継ぎの計画をたてます。
もしすでに後任者が決まっていれば、その方の予定や引継ぎ日のすり合わせも必要になります。
もし後任者が決まっていなければ、たとえ入社したての新人であっても滞りなく業務が進められるように準備しておきましょう。
自分の業務を棚卸してまとめ、資料などを作成しておくとスムーズに引継ぎができます。
取引先へ挨拶する
もし自分が営業職で働いていて、お付き合いしている取引先があれば挨拶も必要です。
勝手に担当者が変わるのは失礼にあたります。
しかし、これらの挨拶も独断で進めるのではく、会社の意向を確認しながらおこないます。
関係性によって、メールや挨拶状にするのか、訪問するのか、訪問するなら誰と伺うのか、など決める必要があるためです。
転職活動をおこなう
転職活動のタイミングですが、退職の意思を伝える前から始めておくのが安心です。
退職が決まった日に、次の転職先が決まっていないと落ち着いて引継ぎもできません。
有給休暇の残数にもよりますが、転職先が決まっていない場合は、今からでも遅くはないのですぐに転職活動をはじめましょう。
転職先とのミスマッチを防ぐためにも、余裕を持って慎重におこなうことが重要です。
失業保険や健康保険など公的手続きをおこなう
公的な手続きは期日が決まっており、忘れてしまうと損をすることになります。
また、健康保険証や従業員証、鍵などがあれば、会社に忘れずに返却する必要があります。
具体的には、
- 住民税の支払い
- 失業給付の申請
- 年金の切り替え
- 健康保険の切り替え
などが必要になります。
また、それらを申請するにあたって、
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
- 源泉徴収票
- 離職証明書
- 健康保険資格喪失証明書
- 退職証明書
などが必要になります。
事前に会社に申請しなければもらえない書類もあるため、忘れずに準備を進めておきましょう。
多くの書類は、送付されるのに1週間程度時間がかかるため注意が必要です。
会社を辞める際の注意点
会社を辞める際の注意点を紹介します。
転職先を見つけてから会社を辞める
転職先を見つけてから退職の準備を進めることで、気持ちにゆとりをもって準備できます。
転職先がないと、職がない間金銭的にも苦しくなるため、必ず転職先を決めてから会社を辞めるようにしましょう。
転職活動は周りに知られないように行う
退職は、どんな理由であれネガティブな印象を持たれがちです。
業務の引継ぎがあったり、一時的に誰かに業務負担がかかったりもするでしょう。
そのため、周りに配慮しながら転職活動をおこないます。
転職理由が人間関係などネガティブな場合だとなおさらです。
あなた以外の従業員は、これからもそのあなたがいた会社にとどまり業務を続けるのです。
会社に失礼のないように行動する
お互いに気持ちよく退職手続きを進めるためにも、自分の都合だけではなく会社の都合にも配慮して行動しましょう。
直属の上司を無視して、さらに上の役職の方や人事部に退職の意思を伝えたり、2週間後にいきなり退職すると伝えたり、というのが会社に対して失礼な行動です。
なるべく直接会って退職の意思を伝える
メールやLINEのみで退職の意思を伝えるのは失礼にあたります。
退職の申し出は後ろめたい気持ちになりますが、必ず直接アポイントメントを取り、誠実に話しましょう。
取引き先に挨拶する場合も同様です。
会社の意向をふまえながら、挨拶に伺いましょう。
会社を辞める際のトラブルへの対処法
会社を辞める際のトラブルへの対処法を解説します。
退職をなかなか認めてもらえない
退職を認めてもらえない要因は、以下のことが考えられます。
- 退職意思をあいまいに伝えている
- 退職理由が会社にとって引き止めやすい理由になっている
- 退職時期が会社にとって都合が悪い
以上のことに留意して、会社が退職を認めやすい時期や理由を準備してから強い退職の意思を伝えることが必要です。
有給休暇を消化させてもらえない
有給休暇取得は、労働者に与えられた大切な権利です。
雇用主側は時季変更権を使って、有給休暇の日程をずらすための交渉はできます。
しかし、有給取得を拒否することはそもそもできません。
もし、会社が有給休暇の買い取りをおこなってくれるのであれば、お願いしましょう。
買い取りをおこなっていない会社であれば、有給休暇が取得できるよう計画的に退職の申し出をおこないましょう。
退職金を渡せないと言われた
まずは自分が退職金を受け取れる立場にあるのかどうかを確認しましょう。
そのためにも就業規則の読み込みは大切です。
会社にそもそも退職金制度がなかったり、退職時期や勤続年数で該当者が絞られたりする場合もあります。
自分がもらえる立場にあり、退職金が支払われる予定だったにもかかわらず退職金未払いの状態であれば、会社に請求できる可能性があります。
ひとりで対応するのは難しい場合があるため、専門家や転職エージェントや弁護士に相談しましょう。
転職するなら転職エージェントがおすすめ
転職するなら転職エージェントを利用するのがおすすめです。
転職エージェントを利用すると、転職活動や、退職に関して様々なサポートが得られます。
サポートはとても丁寧で親身になって寄り添ってくれます。
転職活動は、まわりに知らせずにおこなうことが多いため孤独です。
また、自分の年齢やライフスタイルなどから転職に自信がない場合でも、自分にあったサービスを提供してくれます。
会社を辞める手順や理由まとめ
この記事では「会社を辞めるまでの手順や何ヶ月前に辞める意思を伝えるべきか、辞める理由の伝え方や手続きすること、注意点」などを解説しました。
転職活動や退職には不安がつきまといます。
あなたと会社、双方にとってストレスなくおこなうためにも、
- 計画的に強い意志をもって退職を申し出る
- 転職エージェントをうまく活用する
ことが重要です。
是非、参考にしてみてください。