この記事を読んでいるあなたは、
- 面接官の質問例を知りたい
- 面接官の役割を知りたい
- 面接官のNG行動について知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、「面接官へ向けた質問例や役割、やってはいけないNG行動」などについてお伝えしていきます。
面接官とは
面接官とは、自社への応募者に対面で質疑応答し、必要とする人材であるかを見極める担当者のことです。
実務への適正や能力に加え、社風に合うか、コミュニケーション能力や協調性があるか、といった人物面も判断します。
応募者の「この会社でやって行けるか」という総合的な適正を見抜く必要があり、採用への強い決定権を持ちます。
面接官の役割とは
面接官の役割について解説していきます。
応募者の適正を見極める
面接官の役割には、応募者の適正を見極めることがあります。
書類選考や筆記試験だけでは、応募者の人柄や性格は掴めません。
実際に対面して様々な質問をして応答内容や態度、表情、雰囲気などから「この会社に必要な人材であるか」「一緒に働いていけるか」を読み取ります。
応募者の適正を見極める際は、偏見を持たずに公平に判断することを心掛けましょう。
企業の顔となり応募者にPRする
面接官の役割には、企業の顔となり応募者にPRすることがあります。
応募者も企業の顧客候補の1人であるため、面接の際に悪印象を持たれれば企業にとって損失となります。
さらに今の時代はSNSなどで広められる可能性もあり、大きなリスクになり得ます。
面接官は、応募者に自社の魅力を十分に伝え、良いイメージを持ってもらうように努める必要があります。
面接の基本的な流れ
面接の流れは、以下の通りです。
- アイスブレイク
- 面接官による自己紹介
- 履歴や経歴についての事実確認
- 将来や入社後に関する質問
- 応募者からの質問
- 事務的な確認
面接の流れについて詳しく解説していきます。
アイスブレイク
まずは、アイスブレイクを行います。
アイスブレイクとは場を和ませて緊張感を解きほぐし、コミュニケーションを円滑に取りやすくすることです。
応募者が面接の場で緊張していると、本来の力を出し切れないかもしれません。
せっかくの逸材を見逃さないためにも、当たり障りのない会話で応募者の警戒心を無くすように努めましょう。
面接官による自己紹介
次に、面接官自身の自己紹介を行います。
面接官が自己紹介を行う際は、以下のようなことを伝えます。
- 名前
- 在籍部署
- 担当業務
などです。
さらに以下のような会社についての説明を行うと、より丁寧な印象になります。
- 設立からの沿革
- 主な事業内容
- 同業他社と差別化している特徴
などです。
採用側から自己開示することで、応募者側も打ち解けやすくなります。
履歴や経歴についての事実確認
次に、履歴や経歴についての事実確認を行います。
提出された履歴書や職務経歴書を元に、今までどういった会社でどのような業務に携わってきたのかを確認してください。
その際、業務への取り組み方で自分なりの工夫点や頑張った点などを聞いてみると、主体性や発想力があるかの参考になるでしょう。
記載内容と面接での回答に矛盾がないか、詐称や盛っているところがないかも照査しましょう。
将来や入社後に関する質問
次に、将来や入社後に関する質問を行います。
もし自社へ入社したらどういったことに挑戦したいのか、どんな展望を抱いているのかを聞き出してください。
具体的に自社の事業内容とマッチしていれば、応募者は企業研究をきちんと行い自社への理解を深めている=志望度合いも高いと判断できます。
また、応募者が目標を持ってモチベーション高く仕事に取り組んでいけるかの目安にもなります。
応募者からの質問
次に、応募者からの質問の時間を設けます。
応募者は入社意欲が高いとアピールするために、積極的に質問してくることがあります。
いざ入社してから「こんなはずではなかった」という状況にならないように、応募者の疑問をしっかりと解消しておきましょう。
厳粛すぎる雰囲気では質問しにくいため、明るさ・親しみやすさを心掛けてください。
事務的な確認
最後に、事務的な確認を行います。
以下のような条件面の認識に食い違いがあると、トラブルの原因になります。
- 雇用形態
- 給与
- 通勤方法
- 勤務時間
- 休日
- 福利厚生
- 残業の扱い
などです。
トラブルが起きないように、お互いにしっかりと認識を共有しておきましょう。
合否に関して連絡予定日や連絡方法を伝えたら、応募者が面接室を退出するのを失礼の無いように笑顔で見送ってください。
【面接官必見】シーン別面接質問例
シーン別の面接質問について解説していきます。
アイスブレイクでの質問
アイスブレイクの質問では、雰囲気を和ませるためになるべく面接の本題とは離れた話題を振るのが良いでしょう。
アイスブレイクを行う際に有効な質問には、以下のようなものがあります。
- 今日はどうやって来られましたか?
- 自宅から弊社までは何分くらいかかるのですか?
- 暑くないですか(寒くないですか)?
- 迷いませんでしたか?
などです。
応募者がリラックスして面接に臨めるように、場を整えましょう。
これまでの経歴を確認する質問
これまでの経歴を確認する質問には、以下のようなものがあります。
- 今までの経歴について教えてください。
- 前職ではどのような点で成長できたと思いますか?
- 職務を完遂するのを困難と感じたことはありますか?また完遂するためにどのような努力をしましたか。
- 一番自信を持ってアピールできる点は何ですか?
- マネジメントの経験はありますか?
などです。
具体的に何を聞きたいのか、ポイントを押さえた質問にしましょう。
退職理由に関する質問
退職理由に関して質問する際に応募者は、自分へのマイナス評価につながることを恐れ、無難な退職理由を用意している可能性があります。
退職理由を聞く際は、共感を織り交ぜながら質問しましょう。
退職理由に関する質問には、以下のようなものがあります。
- 前職を退職した理由を教えてください。
- そのタイミングで退職を決めたのは何故ですか?
- 前職でもし給与が1.5倍だったら続けていましたか?
- 前職の同僚はこの転職についてどう思っていると予想しますか?
- 今後また転職するとしたら、どういった理由からだと思いますか?
などの質問をすることで、応募者の警戒心が薄まり本当の理由を打ち明ける可能性が高まります。
志望理由や入社意欲に関する質問
志望理由や入社意欲についての質問は、面接において重要な要となる質問です。
志望理由や入社意欲に関する質問には、以下のようなものがあります。
- 弊社を志望した動機を教えてください。
- これまでの経歴で弊社で活かせると思うものを挙げてください。
- 弊社で携わってみたい業務は何ですか?
- 弊社でどのような経験を積みたいですか?
- 転職で重視していることは何ですか?
などです。
回答の内容が自社の扱う事業分野とかけ離れていたら、応募者の志望度は低く自社とはミスマッチであるとみなしましょう。
性格や人間性に関する質問
性格や人間性について質問することで、応募者がどういった価値観かを知り、会社で一緒に働いていきたい人物かどうかを判断します。
性格や人間性に関する質問には、以下のようなものがあります。
- あなたは周囲の人達にどのような人物だと思われたいですか?
- 苦手な人はどんなタイプですか?
- 最もストレスが溜まることは何ですか?
- モチベーションを上げるためにどんなことをしますか?
- 仕事以外で興味のあることは何ですか?
などです。
表面的な受け答えの技術に惑わされず、表情や仕草などの非言語情報も読み取りましょう。
【採用指標別】面接質問集例
採用指標別の面接質問集を紹介していきます。
コミュニケーションスキルに関する質問
コミュニケーションスキルに関する質問には、以下のようなものがあります。
- あなたは周囲の人達からどのように評価されていますか?
- 1人で作業するのと多勢で作業するのと、どちらが好きですか?
- 人間関係で躓いたことはありますか?何が原因だと思いますか?
- 同僚と円滑なコミュニケーションを図るためには何が必要だと思いますか?
- 顧客と良い人間関係を築くにはどうすればよいと思いますか?
などです。
スキルや経験に関する質問
スキルや経験に関する質問には、以下のようなものがあります。
- この仕事で一番大切な資質は何だと思いますか?
- 今までの経験やスキルを弊社でどう活かせると考えていますか?
- 弊社で挑戦してみたい分野はありますか?それはどういったことですか?
- 弊社でどのようにスキルアップしたいですか?
- あなたを採用するにあたって、どのようなメリットを提示できますか?
などです。
志向性に関する質問
志向性に関する質問には、以下のようなものがあります。
- あなたにとって仕事とは何ですか?
- 仕事をする上でのポリシーや指針はありますか?
- あなたの現在の課題は何ですか?
- あなたがこの職種を希望するのは何故ですか?自分のどういった点が適正だと思いますか?
- 「やり甲斐が全くなく給料が高い仕事」と「やり甲斐はとてもあるが給料が低い仕事」ならどちらを選びますか?
などです。
主体性に関する質問
主体性に関する質問には、以下のようなものがあります。
- 今まで積極的に取り組んだことを教えてください。
- 今までリーダーシップを発揮したことがあれば教えてください。
- 周りの求めていることを察知して、自ら率先して行動したエピソードがあれば教えてください。
- 興味のない業務分野の部署に配属されたらどうしますか?
- 仕事のモチベーションを保つためにしていたことはありますか?
などです。
協調性に関する質問
協調性に関する質問には、以下のようなものがあります。
- チームワークを取る際に意識していることを教えてください。
- チームで仕事に取り組む場合、どのような役割を担うことが多いですか?
- 上司と自分の考え方が異なる際、どう対応しますか?
- あなたにとって働きやすい職場とはどのような環境ですか?
- ノミニケーションについてどう思いますか?
などです。
ストレス耐性に関する質問
ストレス耐性に関する質問には、以下のようなものがあります。
- あなたはどのような状況でストレスを感じますか?
- 挫折した経験はありますか?そこから学んだことはありますか?
- 失敗した経験はありますか?どのように乗り越えましたか?
- 取引先の相手に叱られた際、どう対応しますか?
- 気分転換やストレス発散の方法はありますか?
などです。
面接官の注意点
面接官の注意点について解説していきます。
減点方式で評価しない
面接官は、減点方式で評価してはいけません。
応募者の至らない点にばかり目が行って、否定的な視点からの判断になり、優れた点を見落としてしまうためです。
人間誰しも完璧ではないことを意識して、粗探しに従事せずに特徴を肯定的に捉えるようにしましょう。
その人の長所やプラス面に着目する加点方式で、総合的に判断してください。
身なりを整える
面接官は、身なりを整える必要があります。
基本的に、スーツやそれに準じた服装で面接に挑む必要があります。
以下のような身なりに注意する必要があります。
- シワがないか
- ほつれていないか
- サイズが合っているか
- 清潔感があるか
などです。
面接官は企業の顔としての役割もあるため、服装が自由な業界であれば社風や会社の雰囲気に合わせても良いでしょう。
わかりやすい質問をする
面接官は、わかりやすい質問をするよう心がけましょう。
応募者が質問の意図を汲み取りやすいように、簡潔かつ具体的な質問をしてください。
回りくどい曖昧な表現では、論点がずれる可能性があります。
また、抽象的な質問をすると、的を射ていない回答が返ってきて面接を行った意義そのものが無くなってしまう可能性があるため注意が必要です。
言葉遣い・態度を気をつける
面接官は、言葉遣いや態度に気をつける必要があります。
面接官が横柄で高圧的な態度では、会社の代表として好感度を下げてしまい、「この会社では働きたくない」と応募者に思わせてしまう原因になりかねません。
面接後に「より一層この会社で働きたくなった」と思わせられるように会社の魅力をアピールしなければなりません。
仕事と無関係な質問はしない
面接官は、仕事と無関係な質問はしないようにしましょう。
本籍地や出生地、家族構成、家庭環境、恋人、パートナー、主義、信条といったことは聞いてはいけません。
偏見を持たないようにプライベートには触れず、あくまでも本人の適正や能力のみで公平に判断してください。
面接官がやってはいけないNG質問と行動
面接官がやってはいけないNG質問と行動について解説していきます。
面接官が聞いてはいけないNG質問例
面接官が聞いてはいけないNG質問例について解説していきます。
本人に責任がないことへの質問
面接官は、本人に責任がないことへの質問はしてはいけません。
本人に責任がないことへの質問には、以下のようなものがあります。
- 本籍・出生地
- 家族の経歴、職業、地位、収入、学歴、病歴
- 家庭環境、住宅環境
などです。
自由であるべき(思想信条に関わる)ことへの質問
面接官は、自由であるべき(思想信条に関わる)ことへの質問はしてはいけません。
自由であるべきことへの質問には、以下のようなものがあります。
- 政治に関すること
- 宗教に関すること
- 妊娠・出産・子育てに関すること
- LGBTQやビーガンといった指向・主義に関すること
- 購買新聞や愛読書に関すること
などです。
上記に関するNG質問例
上記に関するNGな質問例は、以下の通りです。
- 出生地はどこですか?
- 親御さんの職業は何ですか?
- あなたの家は賃貸ですか?住んでいるのですか?
- 支持政党はありますか?それはどこですか?
- 宗教に入っていますか?
- すぐ妊娠する可能性はありますか?
- 恋人はいますか?
- どんなジャンルの本をよく読みますか?
などです。
面接官がやってはいけない行動
面接官がやってはいけない行動には、以下のようなものがあります。
やってはいけない行動 | 例 |
---|---|
面接に対して真摯に臨んでいない | 応募書類を読んでいない、あくび、貧乏ゆすり |
応募者に興味を示さない | 視線を合わせない、質問が適当 |
威圧的で横柄な態度 | 否定ばかりする、にらむ |
一方的で意思疎通できない | 質問をスルーする、早口で声が小さい |
自社の魅力を伝えられない | 入社した場合のメリットを示せない、入社後の具体的なイメージを持たせられない |
応募者も面接官も対等な立場であると認識し、応募者へ失礼な印象を与えないように誠実な対応を心掛けましょう。
面接官質問についてよくある質問
面接官の質問についてよくある質問に回答していきます。
面接官としてステップアップするには?
面接官としてステップアップするために、採用CXを意識しましょう。
採用CXとは、応募者が企業を認知してから選考過程を終えるまでの一連の体験のことを言います。
採用合否に関わらず、面接をきっかけに「自社を推してくれるファン」を増やすつもりで応募者の目線から考える必要があります。
もっと踏み込んだ質問をするには?
もっと踏み込んだ質問をするには、応募者の表面的な実績結果だけでなく、実績に至るまでの過程に注目する必要があります。
華々しい経歴でも、実は組んでいた同僚が優秀だった、上司に引っ張られていただけだった、というようなパターンもあります。
本人の思考パターンや判断基準などの内面を深く堀り下げることで、入社後に活躍し得る人材かどうかを計る目安となります。
面接官の質問例やNG行動まとめ
この記事では、「面接官へ向けた質問例や役割、やってはいけないNG行動」などについて解説しました。
面接官は面接において、自社で活躍し貢献してくれる人材を見極めると共に、会社の代表として好いイメージを印象づける役割を担います。
面接官に初めて任命された人や面接官としてもっと熟達したい人は、是非この記事で紹介した役割や意識すべきこと、注意点などを参考にして面接に臨んで下さい。