この記事を読んでいるあなたは、
- GD(グループディスカッション)とは何か知りたい
- GD(グループディスカッション)で企業が評価するポイントを知りたい
- GD(グループディスカッション)の進め方や流れを知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では「GD(グループディスカッション)の進め方や役割、よくある質問について」をお伝えしていきます。
GD(グループディスカッション)とは?
GD(グループディスカッション)とは、「与えられたテーマについて複数人で討論し結論をまとめる過程」を審査する集団選考方法の一つです。
個人面接や集団面接のように面接官と直接質疑応答をする形式ではなく、面接官は結論を出す過程を重視して各応募者の集団の中での立ち回りや役割を観察します。
ディベートと違い、結論の正当性よりも討論への姿勢や態度を重点的に審査されます。
業界や企業により、与えられるテーマに特色があるため事前にある程度対策をして臨むことができます。
GD(グループディスカッション)で企業が評価するポイント
ここでは、GD(グループディスカッション)で企業が評価するポイントについて解説していきます。
ディスカッションに挑む基本姿勢ができているか
GD(グループディスカッション)では、ディスカッションへの基本姿勢を評価されます。
- 積極性(議論に能動的に取り組んでいるか)
- 協調性(和を乱さずにチームワークを保つことができるか)
- 柔軟性(他の人の意見を尊重できるか)
などの能力が求められます。
他の人の意見を否定することや自分だけ話し続けることは厳禁であり、個人としての活躍よりもチームにどれだけ貢献できたかということがポイントとなります。
自分の意見に主張力があるか
GD(グループディスカッション)では、自分の意見に主張力があるかどうかを評価されます。
- 分析力(テーマをよく理解しているか、適切な論点であるか)
- 論理的思考力(論点を系統立てて考えることができるか)
- 発想力(多角的な視野で色々な視点の意見を引き出すことができるか)
などの能力が求められます。
テーマや課題に沿って、論理的で説得力のある意見を提案しなければなりません。
他の人を納得させるために、感情的・主観的ではなく、様々な角度から判断した客観的な根拠を示す必要があります。
リーダーシップがあるか
GD(グループディスカッション)では、リーダーシップがあるかどうかを評価されます。
- チーム全体に目を配ることができるか
- 決断力・判断力があるか
- チームを率先して効果的な結論を導き出せるか
などの能力が求められます。
リーダーシップを発揮できれば、審査員へ好印象となり高評価につながるでしょう。
理解力があるか
GD(グループディスカッション)では、理解力があるかどうかを評価されます。
- テーマの論点を的確に理解できているか
- チームの他の人の意見を理解できているか
- 議論の流れや各段階での核となるポイントを理解できているか
という点を審査されます。
理解力はどんな仕事にも必要な基本的な能力であり、GD(グループディスカッション)においても重要な評価要素の一つとなります。
GD(グループディスカッション)の基本的な進め方
GD(グループディスカッション)の基本的な進め方は以下の通りです。
議論のアウトラインを作成する
まずは、議論のアウトラインを作成します。
GD(グループディスカッション)は制限時間があるため、結論を導き出すまでの手順それぞれにかける時間を予め決めておく必要があります。
役割分担、全体像の把握、課題の明確化、打ち手の決定という段階のどこに重点を置くかで議論の流れが変わってきます。
決められた時間内に結果を出すことは社会人にとって大切なスキルであり、GD(グループディスカッション)の評価基準の一つとなります。
それぞれの役割を決定する
次に、誰がどの役割で議論に参加するかを決めます。
議論をスムーズにすすめるために以下の役割に分担します。
- リーダー
- 書記
- タイムキーパー
必ずしも役割がある方が選考に有利というわけではなく、役割を全うできないとむしろマイナス評価になってしまいます。
チームメンバーはあくまで平等に議論への参加姿勢を評価されます。
議論の全体像を把握する
次に、議論の全体像を把握します。
テーマの背景から現状、これからの課題までの流れを大まかに理解することで、最終的な目標を効率的に決定することができます。
時間の経過に沿って、枝葉末節に拘らずにざっくりと捉えることがコツとなります。
何故今の現状があるのか、その背景から考えることでより具体的で有用性のある解決策が導き出されます。
解決するべき課題を明確にする
次に、解決するべき課題を明確にします。
議論する上で、前提となるテーマや課題の解釈が個々で異なっていると結論がまとまらなくなってしまいます。
そこでテーマの意味合いを定義づけて解釈を一致させ、課題を共通認識として明確にしておく必要があります。
この工程を省くと、後から揉めて議論がスムーズに進まなくなる可能性があります。
打ち手をまとめる
最後に、具体的な意見やアイディアを出し、打ち手をまとめて結論を決定します。
できるだけ様々な視点・立場からの豊富な意見を出し合いましょう。
論理的で説得力のある打ち手を発表してGD(グループディスカッション)を締めてください。
GD(グループディスカッション)の役割とアピールポイント
ここでは、GD(グループディスカッション)の役割について解説していきます。
GD(グループディスカッション)の役割は以下の4つに分類されます。
- リーダー
- 書記
- タイムキーパー
- その他
それぞれ解説していきます。
リーダー
リーダーの役割は、チームを率先してまとめあげ、皆が納得できる結論を導き出すことです。
全員が議論に参加できるようにチーム全体に目を配り、発言しやすい雰囲気を作ったり、偏った意見にならないように注意を払ったりする必要があります。
リーダーシップ、積極性、協調性、柔軟性のどれをも発揮できる、アピールしやすいポジションとなります。
書記
書記の役割は、議論の過程や結論をわかりやすく整理し要約することです。
一見地味な作業のように思われがちですが、他の人の意見をきちんと理解できるか、相手の立場に立ってわかりやすくまとめられるか、などアピールポイントはたくさんあります。
目立つことが苦手、人前での発言が難しいというタイプの人には一押しのポジションです。
タイムキーパー
タイムキーパーの役割は、時間配分を考えて議論の流れを管理することです。
作成したアウトラインに従い、それぞれの段階で進行が滞っていれば議論を促したり、もっと意見が出るように働きかけたりします。
全体の流れを把握していなければならず、理解力が求められるポジションです。
その他
役割のないメンバーは自由に発言をしたり、役割のある人のフォローに回りましょう。
チームメンバーはあくまで平等に審査され、役割がなくても選考で不利になることはありません。
役割がない分発言に専念できるため、発想力や論理的思考力、分析力などに自信がある人にはおすすめです。
GD(グループディスカッション)の代表テーマと例
GD(グループディスカッション)の代表テーマについて解説していきます。
売上アップ系テーマ
売上アップ系テーマには、例えば以下のようなものがあります。
- コンビニの売上を2倍にするには?
- 新製品の知名度を上げるには?
- Z世代をターゲットに、固定電話の新しい市場を拡大するには?
売上アップ系テーマでは、目的を達成するためにどのように取り組んでいくかという分析力や提案力が重視されます。
特にコンサルティングや商社などの業界で頻出のテーマです。
問題解決系テーマ
問題解決系テーマには、例えば以下のようなものがあります。
- 若者のテレビ離れを緩和するには?
- マナーの悪い喫煙者を減らすには?
- 男性の育休取得率を高めるには?
問題解決系テーマでは、問題を解決するためにどのように対処していくかという積極性や多角的な視野が重視されます。
コンサルティング、製造、ITなど幅広い業界で出題されています。
正解がないテーマ
正解がないテーマには、例えば以下のようなものがあります。
- 人間以外に生まれ変わるなら何がよい?
- 無人島に一つだけ持っていくなら何を持っていく?
- 過去と未来、行けるのならどちらに行きたい?
正解がないテーマでは、討論の過程での論理的思考力や協調性が重視されます。
商社、銀行、インフラなどの団結力やコミュニケーション能力が必要とされる業界で出題されています。
GD(グループディスカッション)で意識すべきこと
ここでは、GD(グループディスカッション)で意識すべきことを解説していきます。
5W1Hを活用する
GD(グループディスカッション)では、5W1Hを活用しましょう。
5W1Hとは以下の英語を指します。
- When(いつまでに目標を達成するのか)
- Where(どこで目標を達成するのか)
- Who(どういった立場の人へ向けているのか)
- What(何を目標とするのか)
- Why(何故目標は必要なのか)
- how(どのように目標を達成するのか)
5W1Hを活用することで、テーマの抽象性を具体的に定義づけることができ効果的な結論を導きやくすなります。
ロジックツリーを使用する
GD(グループディスカッション)では、ロジックツリーを使用しましょう。
ロジックツリーとは、表立った問題点を根幹に据え、そこからどんどん構成要因を細かく分解していき、見えていなかった原因を発見する手法です。
要因を分解する際の枝分かれしていく様子が木のように見えることからロジックツリーと呼ばれ、論理的な解決法を得るヒントとなります。
PREP法を意識する
GD(グループディスカッション)では、PREP法を意識しましょう。
PREP法とは、
- Point(結論・要点)
- Reason(理由)
- Example(具体例)
- Point(結論・要点)
という構成・順序で述べる説明手法です。
PREP法を念頭に置きながら説明すると、相手に理路整然と意見や主張を伝えることができます。
意思決定マトリクスを活用する
GD(グループディスカッション)では、意思決定マトリクスを活用しましょう。
意思決定マトリクスとは、候補のプランを並べて、「将来性」「費用」「オリジナリティ」などの項目ごとに点数をつけ、優先度を決める方法です。
点数の高さは一目瞭然であるため、優先順位を客観的に判断できます。
GD(グループディスカッション)おすすめの対策
GD(グループディスカッション)おすすめの対策には以下のようなものがあります。
「東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート」を読む
「東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート」を読んで対策しましょう。
『50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」!』というキャッチコピーの通り、実戦で役立つ論理的思考パターンがわかりやすく紹介されています。
万人に向けて確立した、系統立てて考えるフレームワークは日常生活でも活かすことができます。
熟読して事前準備しておけば、本番で慌てることはないでしょう。
実際の選考で経験を積む
GD(グループディスカッション)の対策として、実際の選考で経験を積みましょう。
「習うより慣れろ」という言葉通り、実際のGD(グループディスカッション)で場数を踏んで、臨機応変な立ち回りを身に着けていくべきです。
机上でいくら予習をしても実際の緊張感や雰囲気は味わえません。
初めのうちは失敗から学ぶことも多いでしょうが、何度か繰り返すうちにコツを覚えるはずです。
一人で問題解決や話す練習をする
GD(グループディスカッション)の対策として、一人で問題解決や話す練習をすることがあります。
最も手軽で初期投資のかからない方法です。
エアプレゼンでは動画を撮っておくと反省点がよりわかりやすくなるでしょう。
外部の対策セミナーに参加する
GD(グループディスカッション)の対策として、外部の対策セミナーに参加してみましょう。
無料でGD(グループディスカッション)の対策セミナーを行っている企業や団体もあります。
ノウハウを熟知した講師や先輩達からGD(グループディスカッション)の改善点やコツをアドバイスしてもらえます。
直接出向かなくてもオンライン上で気軽に参加できるため、利用してみるのもよいかもしれません。
GD(グループディスカッション)に関してよくある質問
ここでは、GD(グループディスカッション)に関してよくある質問について解説していきます。
GD(グループディスカッション)の定義付けとは?
GD(グループディスカッション)の定義付けとは、テーマの曖昧性をなくすため、意味合いを定義づけて共通認識にすることです。
例えば、同じ「私立高校の生き残り策を提案せよ」というテーマでも、生き残りの定義を「生徒数の増加」とするのか「収益アップ」とするのかでは打開策もアプローチ方法も変わってきてしまいます。
抽象的なテーマでそれぞれの解釈が異なり議論の収拾がつかなくなってしまうことを避けるために定義づけを行います。
GD(グループディスカッション)参加に適した服装は?
一般の就職活動ならばスーツやそれに準じた服装、特に指定がないのならばオフィスカジュアルが無難です。
- シワがないか
- ほつれていないか
- サイズがあっているか
- 清潔感があるか
といった点に気を付けてください。
基本的に、受ける業界の雰囲気や企業の社風に合っていれば問題ないでしょう。
GD(グループディスカッション)の対策はいつから?
志望業界や企業にもよりますが、一般的には大学3年(就職予定前々年度)の3月から就職活動が本格化します。
エントリーシートやSPIなど実際に活動し始めることを考えると、GD(グループディスカッション)に関しては大学3年(就職予定前々年度)の12月頃から対策しておき2月頃までには終わらせておくのがよいでしょう。
就活の早期化もあることから、早めに準備しておくに越したことはありません。
GD(グループディスカッション)進め方や流れまとめ
この記事では「GD(グループディスカッション)の進め方や役割、よくある質問について」をお伝えしました。
GD(グループディスカッション)は社会人としての基本的振舞いや姿勢が備わっているかを総合的に判断するのに適した選考方法です。
就職活動でGD(グループディスカッション)に参加する人は、是非この記事で紹介したアピールポイントや意識すべきこと、対策などを参考にして臨んで下さい。