この記事を読んでいるあなたは
- 立ち退き交渉を代行するべきか知りたい
- 代行を依頼する際の弁護士への費用や流れについて知りたい
- 依頼するメリットやデメリットを知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、そんなあなたに「立ち退き交渉代行の費用やメリット・デメリット、弁護士事務所の選び方」などをお伝えします。
なお、立ち退き交渉代行を依頼するのにおすすめの弁護士事務所を以下の表にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
弁護士事務所名 | 特徴 | 公式サイト |
---|---|---|
ライズ綜合法律事務所 |
| ライズ綜合法律事務所公式 |
春田法律事務所 |
| 春田法律事務所公式 |
弁護士法人エース |
| 弁護士法人エース公式 |
立ち退き交渉とは?
立ち退き交渉とは、オーナーが所有している物件の入居者に退去を求めるための交渉です。
賃貸借契約を結んでいる間は、賃借人である入居者の立場は保護されており、原則として賃貸人であるオーナーからは契約を解除することはできません。
そのため、入居者に大きな契約違反がなくオーナーの都合により立ち退きを求める場合は「正当の事由」が必要になります。
立ち退き交渉では、この正当事由をもって入居者との話し合いや必要に応じた立ち退き料を支払ったうえで、賃貸借契約の合意を解除します。
立ち退きを要求できるパターン
以下の場合、立ち退きを要求することができます。
- 合意による解除
- 債務不履行による解除
- 契約期間の満了
- 解約の申入れ
まず、オーナーと入居者のよる話合いで双方が納得する結果となれば、賃貸借契約を解除し入居者による物件の明け渡しによって立ち退きは完了します。
また入居者が家賃の不払いを繰り返したり無断転貸などの契約違反を犯したりした場合、オーナーは債務不履行により賃貸借契約を解除することができます。
このほかに定期建物賃貸借契約を結んでいる場合は、契約の更新の必要がなく契約期間が満了することにより入居者に退去を求めることができます。
一方で、通常の賃貸借契約においてオーナーの都合で立ち退きを要求する場合は、契約期間満了の6カ月前までに解約の申し入れをする必要があります。
この申し入れは「老朽化による物件の建て替えの必要性」や「入居者が実際には居住していない」といった、正当の事由が必要になります。
以上のような場合、オーナーは入居者に立ち退きを要求することが可能です。
立ち退きをする流れ
立ち退き交渉は以下の手順ですることができます。
- 賃貸借契約を更新しないという意思を伝える
- 立ち退き料の交渉を行う
- 合意が得られれば任意の明け渡し
- 交渉が決裂した場合は調停もしくは裁判
オーナーの都合で立ち退きを求める場合、正当事由をもって契約期間満了の6カ月から1年前までに入居者に書面で通知する必要があります。
書面は内容証明で送ることが望ましいですが、この件についてあらかじめ入居者に知らせておかなかった場合、気分を害してしまい後々の交渉に影響を与える可能性があるため注意が必要です。
次に対面でも立ち退きの理由などを説明し、立ち退き料や引っ越し費用、次の住居の補償などの交渉を行っていきます。
この交渉で入居者が納得した場合には合意書を作成し、物件の明け渡しにより立ち退きは完了します。
その一方で、交渉が決裂した場合は調停もしくは裁判をすることになります。
調停では調停委員が間に入り話し合いでの解決を目指しますが、それでも合意にいたらなかった場合は裁判となります。
さらに、裁判でも和解の道筋をつけられなかった場合は最終的に裁判での判決を待つことになります。
このように立ち退き交渉には多くのプロセスがあるため、不安を感じる場合は弁護士に相談することをお勧めします。
立ち退き交渉を代行してもらうメリット
立ち退き交渉を代行してもらうメリットを解説していきます。
交渉の手間が省ける
立ち退き交渉を代行してもらうことで、当事者が直接交渉する手間やストレスを省くことができます。
なぜなら、立ち退き交渉は一度で終了することはほとんどなく、相手のもとに何度も足を運ぶ必要があります。
一連の流れを弁護士に代行して貰うことで、知識や経験を活かし必要最低限の手続きで立ち退きを完了することが可能になります。
また交渉がうまくいかず訴訟になった場合でも、弁護士が交渉の経緯を把握していれば様々な手続きもスムーズに進めることができます。
その結果、オーナーの負担の軽減や効率的な交渉を見込めるようになるのです。
早く解決することができる
立ち退き交渉の代行を弁護士に依頼することで、早期の決着を見込むことが可能になります。
というのも、立ち退き交渉は入居者が簡単に明け渡しに応じるケースはほとんどありません。
さらには書類の作成など様々な手続きがあり、問題の解決には多くの時間が必要となります。
そんな中、法律の専門家である弁護士に交渉の代行を依頼することで、適切な解決策を提示してもらうことができます。
また、第三者である弁護士を間に挟むことで、当事者間による感情的な対立も抑えることができます。
このように交渉の代行を依頼することで、立ち退き交渉の早期解決への道筋をつけることができるのです。
家賃の滞納防止ができる
立ち退き交渉に弁護士が介入することで、入居者による家賃の滞納を防止することができます。
家賃の滞納の多くは、その人の中の支払いに対する優先順位が低下しているために起こります。
もちろん、本当に生活がひっ迫してしまい家賃を捻出できない場合もありますが、家賃の滞納をあまり大きな問題として考えていないことが多いのです。
そのような場合、弁護士からの連絡を受けることで入居者が事態の重大さを理解し、家賃の滞納防止につながることがあります。
弁護士に交渉の代理を依頼することで、家賃の滞納問題を早期に解決することができる可能性があるのです。
立ち退き交渉を代行してもらうデメリット
立ち退き交渉を代行してもらうデメリットを解説していきます。
弁護士費用がかかる
立ち退き交渉を弁護士に依頼した場合、決して安くはない費用が発生します。
具体的な内訳は相談料・着手金・報酬金などです。
それぞれの金額設定は弁護士事務所によって大きく違ってくるため、いくつかピックアップして費用を比較する必要があります。
弁護士に依頼した場合、交渉をスムーズに進めることができる可能性がありますが、その分の費用が発生することは頭に入れておきましょう。
借主の家賃滞納による破産の可能性がある
立ち退きを弁護士に代行して貰った場合、借主である入居者が破産を選択することがあります。
一般的に家賃を滞納している場合、それ以外にも負債を抱えていることが多くなります。
そのような場合、弁護士からの通知が来た時点で入居者が自己破産の手続きを行ってしまう可能性があります。
また、弁護士が介入することにより、入居者のこれ以上の家賃の支払いが難しいと判断される場合もあります。
弁護士に代行を依頼する際は、入居者の支払い能力もきちんと見極めておく必要があるのです。
入居者との関係が悪化する可能性がある
交渉の代行として弁護士を依頼した場合、入居者は良い印象を抱かない可能性があります。
なぜなら弁護士を依頼するということは、入居者は裁判も辞さないという意思表示であると受け取るからです。
入居者と良好な関係を維持するためには弁護士と密な連絡を取りつつ、連絡事項などはオーナーから直接伝えるなどの工夫をする必要があります。
第三者が交渉のテーブルにつくことで、入居者との関係が悪くなる可能性は十分に考えておきましょう。
立ち退き交渉を弁護士に依頼する費用相場
立ち退き交渉を弁護士に依頼した場合、相談料・着手金・報奨金を支払うことになります。
まず、相談料は弁護士に正式な依頼を行う前に相談する際にかかる費用です。
金額は30分あたり5,000円から10,000円に設定されている場合が多くなっていますが、初めての相談は無料で行っている弁護士事務所もあります。
次に、着手金は弁護士に仕事を依頼した際に発生する支払いで、依頼結果に関わらず返却されません。
着手金の金額は、案件当たりの値段が決まっている事務所や依頼者が得た経済的利益から計算する事務所があります。
最後に報奨金は依頼を希望通りに終結した場合に、依頼者が得た経済的な利益に対して発生するもので相場は10〜20%とされています。
また上記以外に交通費や印紙代、印刷代などの実費の支払いが発生することがあります。
必要となる金額は事務所によってばらつきが有るため、いくつかピックアップして無料相談を使ったり自分で調べたりする必要があります。
立ち退き交渉代行を依頼する弁護士の選び方
立ち退き交渉代行を依頼する弁護士の選び方を解説していきます。
立ち退きの実績があるか
まず重視するポイントは、依頼する弁護士が立ち退き交渉の経験が豊富かどうかという点になります。
立ち退き交渉に精通している弁護士であれば、専門的な知識や過去の判例を踏まえてアドバイスを行ってくれるため、交渉がスムーズに進む可能性が高いからです。
逆に、関連法規の知識や立ち退き交渉の経験がない弁護士では、納得した依頼結果を得られない場合があります。
弁護士の選定を行う場合はまず実績を確認した上で相談へと進むことが大切になります。
自分の地域に対応しているか
弁護士を選ぶ際は、自分が居住する地域の依頼に対応しているかどうかも確認する必要があります。
地域の事情に詳しい弁護士であれば、立ち退き交渉を行う物件や周囲の様子を把握しているため依頼がしやすくなります。
また地域との繋がりもあるため、行政や民間団体からのサポートも受けやすくなります。
弁護士には受任するにあたっての地域制限が無いため、遠方の弁護士に依頼することも可能ですが、依頼人が負担する交通費の負担が大きくなったり、対面で相談を行うことも難しい可能性があります。
弁護士事務所に依頼を行う際は、その地域に根差した活動をしているかどうかも見極める必要があります。
無料で相談ができるか
最後に、弁護士の選び方として無料相談を行っているかどうかも大きなポイントになります。
なぜなら、依頼をするかどうかは、その弁護士の考え方や仕事の進め方に共感できるかどうかが重要になるからです。
そのため気になっていることを質問して答えを受け取ることができる無料相談は、弁護士を見極める大切な機会なのです。
立ち退き交渉の代行におすすめの弁護士
立ち退き交渉の代行におすすめの弁護士を解説していきます。
ライズ綜合法律事務所
出典:https://risesogo.jp/
ライズ綜合法律事務所は、個人と法人両方の立ち退き交渉を依頼することができます。
相談しやすい環境が整っており、依頼の入口となる無料相談を何回でも受けることができます。
実績も豊富でこれまでに受けた法律相談は20万件以上になります。
一級建築士や不動産鑑定士等とも連携し、法律と不動産の知識をそれぞれ活かした立ち退き交渉が可能です。
立ち退き料の適正調査も無料で行っているため、安心して依頼することができます。
対応エリア | 全国 |
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着手金 | 55,000円~ |
無料相談 | ○ |
電話対応 | ○ |
公式サイト | ライズ総合法律事務所公式HP |
春田法律事務所
出典:https://haruta-lo.com/
春田法律事務所は、札幌・東京・大宮・名古屋・金沢・大阪・神戸・広島・福岡と日本全国に事務所を持つ大規模な法律事務所です。
事務所に足を運ぶことなく、電話やSkype、LINEなどでも相談することが可能になっています。
LINEでの相談は土日関係なく朝9時から夜9時まで受け付けており、事務的な内容以外は弁護士に回答してもらうことが可能です。
この他にも法律相談専用の電話番号を設けており、曜日に関係なく24時間通話可能になっています。
日時を気にすることなく相談することができるため、仕事などで時間の確保が難しい人にも利用しやすい法律事務所です。
対応エリア | 全国 |
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着手金 | 220,000円 |
無料相談 | ○ |
電話対応 | ○ |
公式サイト | 春田法律事務所公式HP |
弁護士法人エース
出典:https://ace-law.or.jp/
弁護士法人エースは2018年に設立された、弁護士とパラリーガルによるきめ細かいサービスが特徴の弁護士事務所です。
メールでの相談は365日24時間受け付けているほか、無料の電話相談も行っています。
立ち退きに関する案件を重点業務として取り扱っており、必要となる金額はわかりやすくシンプルに提示されています。
完全成功報酬制をとっているため着手金は0円です。
無料相談も行っているため、金銭面の問題で立ち退き交渉の代行についてどこに相談しようか迷っている場合は、まず相談してみると良いでしょう。
対応エリア | 全国 |
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着手金 | 0円 |
無料相談 | ○ |
電話対応 | ○ |
公式サイト | 弁護士法人エース公式HP |
泉総合法律事務所
出典:https://izumi-legal.com/
泉総合法律事務所は関東に拠点を置く法律事務所で、関東で最大級となる25の拠点を構えています。
リーズナブルでわかりやすい費用設定が特徴で、不動産のオーナーが対象の「家賃滞納建物明渡しプラン」や「ワンコイン500円顧問サービス」など、提供されるサービスがセットになったプランが用意されています。
累計相談は41,000件を超えており、立ち退き交渉を含む様々な分野での相談を受け付けています。
無料法律相談は予約制となっており、しっかりと相談の時間が確保されている点も魅力です。
対応エリア | 関東 |
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着手金 | 165,000円 |
無料相談 | ○ |
電話対応 | ○ |
公式サイト | 泉総合法律事務所公式HP |
弁護士法人赤坂見附法律事務所
出典:https://chintai-bengoshi.com/
弁護士法人赤坂見附法律事務所は立ち退きなどの不動産賃貸契約に関するトラブルを専門的に取り扱っている法律事務所です。
必要となる費用もホームページに細かく明示されているため、あらかじめ大まかな予算の都合をつけておくことができます。
親戚や友人が代理で相談を行うことも可能で、事前に連絡をしておけば土日祝や夜間も相談可能となっているため、働いている方も相談しやすくなっています。
対応エリア | 全国 |
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着手金 | 110,000円 |
無料相談 | ○ |
電話対応 | ○ |
公式サイト | 弁護士法人赤坂見附法律事務所公式HP |
【Q&A】立ち退き代行に関してよくある質問
立ち退き代行に関してよくある質問に回答していきます。
立ち退き料は相場いくら?
立ち退き料は法律によって定められているものではなく、明確な決まりはありません。
ですが、オーナーの都合で入居者に退去をお願いするため、その際に発生する損害を補填するものとして支払われています。
内訳は引っ越し代や新しい住居の敷金礼金、それに迷惑料などを考慮したものとなっています。
入居者に家賃の滞納があったり、建物の老朽化が激しい場合は支払われない場合もありますが、一般的には家賃の6カ月から10カ月分が相場となっているようです。
立ち退き料の交渉の仕方は?
立ち退き交渉を行う際は、時間に余裕をもって取り組む必要があります。
通常の賃貸契約において立ち退き請求は遅くとも6カ月前には通知する必要があることから、それより前より入居者に説明を行っていくと良いでしょう。
退去までの期間が長いほど、入居者は次の住居探しや引っ越しなどの手続きを心に余裕を持って行えるようになります。
また、次の住居を用意しておくなど入居者が納得できる材料を揃えておくことで、立ち退き料の交渉を滞りなく進めることができます。
日頃から入居者と良好な関係を築いておくことも必要です。
さらには、過去の判決を参考にして立ち退き料の具体的な金額を例に出すことで、相手も納得しやすくなります。
立ち退き交渉の非弁行為とは?
立ち退き交渉の際、弁護士でない者が報酬を目的に行った場合、非弁行為に該当する可能性が高くなります。
非弁行為に該当するかどうかは、対象が法律事件に該当しているかなどいくつかの基準を基に判断され、弁護士法に違反すると判断された場合は、刑罰が科されます。
弁護士以外が立ち退き交渉を行う場合、適法な業務範囲を把握しておく必要があります。
管理会社は立ち退き交渉の代行ができる?
管理会社は立ち退き交渉にある程度介入することは可能ですが、非弁行為に該当しないようにきちんと法律を理解しておく必要があります。
具体的には、管理会社は転居のお願いや自社で管理している物件を転居先として提案することが可能です。
ですが、その後に発生する不動産の明け渡し請求や訴訟などは代行することはできません。
立ち退き交渉に関して、管理会社が関わることのできる範囲は限定されていると言えます。
不動産会社は立ち退き交渉の代行はできる?
不動産会社も管理外会社と同じように非弁行為に該当する可能性のある立ち退き交渉の代行は難しいでしょう。
ですが、立場上オーナーから代行を依頼されることもあります。
その際も報酬を受け取ることを目的としないなど、非弁行為に該当しないように慎重に検討する必要があります。
立ち退き交渉代行の選び方や費用相場まとめ
この記事では、「立ち退き交渉代行の費用やメリット・デメリット、弁護士事務所の選び方」などをお伝えしました。
立ち退き交渉は法律的な知識を必要とするため、自ら交渉を行おうとすると様々な問題に直面してしまいます。
交渉の時間がかかればかかるほど問題が複雑になってしまうため、知識や経験の抱負な弁護士への依頼は有効な手段と言えます。
弁護士に依頼する際のメリット・デメリットを把握した上で信頼できる弁護士事務所を見つけましょう。